慣用句

縁の下の舞

(えんのしたのまい)

人の見ていない所で、むなしく苦労を重ねること。人に認められない骨折り。

異形:縁下の舞

8文字の言葉 / 「え」から始まる言葉
縁の下の舞 ことば
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意味

「縁の下の舞(えんのしたのまい)」とは、誰にも気づかれない場所で、人のために黙々と力を尽くし、地道な努力を重ねることです。
骨を折っても人に見てもらえず、認められないという含みを持つ言葉です。

  • 縁の下(えんのした):家屋の床下など、人目につかない場所。
  • 舞(まい):舞楽や踊りのこと。

語源・由来

「縁の下の舞」は、大坂・四天王寺の法要で、聖霊院しょうりょういんの庭で演じられた舞楽に由来します。
法要は陰暦三月二日の経供養きょうくようとされ、二月二十二日の聖徳太子の忌日の法要(聖霊会しょうりょうえ)とする説もあります。
この舞楽は舞台の上ではなく庭で、人に見せずに舞われていました。

観客の目に触れることのない場所で舞う姿から、人に認められない骨折りのたとえとして使われるようになりました。
上方(京都・大坂)のいろはかるたでは「ゑ」の札の定番で、ことわざとしても江戸時代によく使われていました。
札に描かれる舞い手は多くが男ですが、時代が下ると女の舞い手も現れます。

袖をひるがえして舞う着物の女と「ゑ」の字の札
明治後期の上方系いろはかるた「ゑ」の札

使い方・例文

「縁の下の舞」は、人目につかない所での骨折りが誰にも認められない場面で使われます。

  • 徹夜で資料をそろえても上司の手柄になるだけで、縁の下の舞に終わった。
  • 誰の目にも留まらない仕事ばかりで、縁の下の舞もいいところだ。
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類義語・関連語

「縁の下の舞」と同じく、表舞台に出ず人のために尽くす様子を表す言葉には、次のようなものがあります。

  • 縁の下の力持ち(えんのしたのちからもち):
    人目につかない所で努力し、他を支える人。
  • 陰の立役者(かげのりつやくしゃ):
    表には出ないが物事の成功を支えた人。
  • 内助の功(ないじょのこう):
    陰で支える身内の働き。

「縁の下の舞」と「縁の下の力持ち」の違い

どちらも人目につかない所での苦労を表しますが、由来と現在の使われ方に違いがあります。

語句由来現在の使われ方
縁の下の舞四天王寺の非公開の舞楽ことわざとして残るが日常会話では稀
縁の下の力持ち縁の下の舞より後に広まった言い回し現在も日常的に広く使われる

英語表現

unsung hero

直訳すると「歌われない英雄」で、表舞台に立たず称賛されないまま貢献する人を指す表現。

She is the unsung hero of this project.
(彼女はこのプロジェクトの陰の功労者だ。)

もう一つの語源説は、舞人や楽人の席の名

江戸中期の随筆『夏山雑談なつやまざつだん』(1741年)は、名の起こりについて別の説を書き留めています。
舞楽のときに舞人や楽人が座る席を「垣下えんかの座」と言い、地下じげ(= 殿上に上がれない身分)の人の席なので、そこで舞があっても堂の上からは見えないため、晴れがましくないことを「垣下えんかの舞」と言ったのではないか、というものです。

そのうえで、後の世に「縁の下の舞」と言うのはこの「垣下えんかの舞」を言い誤ったものだろう、という「ある人」の説を紹介しています。
四天王寺の庭の舞とする説とは別の説ですが、どちらも「人目につかない所での舞」を指している点は同じで、人に認められない骨折りという意味はここにつながります。

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