意味
「縁の下の舞」とは、誰の目にも留まらない場所で、人のために黙々と力を尽くすことを指す言葉です。
表舞台に立たず裏方に徹する人への敬意を込めて使われることが多い表現です。
- 縁の下(えんのした):家屋の床下など、人目につかない場所。
- 舞(まい):舞楽や踊りのこと。
語源・由来
「縁の下の舞」は、大坂・四天王寺で営まれる聖霊会(しょうりょうえ)という法要に由来します。
この行事では舞台の上で華やかな舞楽が奉納される一方、太子殿の縁側の下という目立たない場所でも、非公開の舞が同時に演じられていました。
観客の目に触れることのない場所で黙々と舞う姿から、人知れず努力する人のたとえとして使われるようになりました。
江戸時代に親しまれた上方(京都・大坂)いろはかるたでは「ゑ」の札に選ばれており、当時から広く知られた言葉だったことがうかがえます。
使い方・例文
「縁の下の舞」は、人前に出ないところで支えている人の働きぶりを称える場面で使われます。
- 彼は裏方として縁の下の舞を続け、舞台を成功に導いた。
- 誰も知らない縁の下の舞が、この店の味を支えている。
類義語・関連語
「縁の下の舞」と同じく、表舞台に出ず人のために尽くす様子を表す言葉には、次のようなものがあります。
- 縁の下の力持ち(えんのしたのちからもち):人目につかない所で努力し、他を支える人。
- 陰の立役者(かげのりつやくしゃ):表には出ないが物事の成功を支えた人。
- 内助の功(ないじょのこう):陰で支える身内の働き。
どちらも裏方の努力を表しますが、由来と現在の使われ方に違いがあります。
「縁の下の舞」と「縁の下の力持ち」の違い
| 語句 | 由来 | 現在の使われ方 |
|---|---|---|
| 縁の下の舞 (えんのしたのまい) | 四天王寺の非公開の舞楽 | ことわざとして残るが日常会話では稀 |
| 縁の下の力持ち (えんのしたのちからもち) | 縁の下の舞から転じた表現 | 現在も日常的に広く使われる |
英語表現
unsung hero
直訳すると「歌われない英雄」で、表舞台に立たず称賛されないまま貢献する人を指す表現。
She is the unsung hero of this project.
(彼女はこのプロジェクトの縁の下の舞的存在です。)
四天王寺で誰にも見せずに舞われた秘事
「縁の下の舞」は、聖徳太子が建立した大阪・四天王寺で行われてきた「経供養」という法要の中で舞われた舞楽に由来します。
聖霊院で催されるこの舞は、観客に一切見せない秘事として長く伝えられてきました。
江戸時代の随筆『夏山雑談』には、舞人や楽人が着座する「垣下座」という場所の名が、後に「縁の下の舞」と誤って伝わったのではないか、という指摘も残っています。
誰にも見られないまま続けられた稽古と本番が、陰の努力を指す言葉の由来になったとされています。









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