意味
「読書三余」の「余」は、あまりものではなく、ほかの用事に取られない空いた時間を意味します。
冬(一年のうちの余り)、夜(一日のうちの余り)、雨降りの日(普段の用事の余り)という三つの機会を指し、忙しくても読書に充てられる時間は見つけられるという教えを表します。
語源・由来
「読書三余」は、中国・三国時代の学者董遇の言葉に由来します。
『三国志』の「魏志」に付けられた裴松之の注が引く『魏略』によれば、教えを乞いに来た人が「生活が苦しくて余裕がありません」と訴えたのに対し、董遇は「三余を使いなさい」と答えました。
冬は一年の務めの余り、夜は一日の務めの余り、長雨の日は普段の用事の余りであり、農作業も外歩きもできないこれらの時間を読書に回すよう説いた言葉です。
使い方・例文
「読書三余」は、忙しくて本を読む時間がないという相手に、時間の見つけ方を説く場面で使われます。
- 忙しいと言うが、読書三余の教えを思い出してみよう。
- 雨の日くらいはと、読書三余にならって書斎にこもった。
- 退職後の父は読書三余を地で行くような暮らしぶりだ。
類義語・関連語
「読書三余」と同じように、書物との向き合い方を説く言葉には以下のようなものがあります。
- 読書百遍意自ずから通ず(どくしょひゃっぺんいおのずからつうず):
難しい書物も、何度も繰り返して読むうちに自然と意味が分かってくるということ。 - 読書三到(どくしょさんとう):
目と口と心を働かせて、書物の真意を読み取るべきだということ。
「読書三余」と「読書三到」の違い
どちらも「読書三」で始まる言葉のため混同されやすいですが、説いている中身が異なります。
「読書三余」は読書に充てる時間の見つけ方を、「読書三到」は読書に取り組む際の心構えを説きます。
| 語句 | 説く内容 |
|---|---|
| 読書三余 (どくしょさんよ) | 読書に充てる時間の見つけ方 |
| 読書三到 (どくしょさんとう) | 読書に取り組む際の心構え |
兄に笑われながら開いた経書
三余を説いた董遇は、戦乱を避けて兄と共に他郷に身を寄せ、農業や行商で生計を立てていた人物です。
『魏略』によれば、暮らしが苦しい中でも経書を手放さず、その姿を兄に笑われても学問をやめませんでした。
後に才能を認められて孝廉に推挙されると、魏の郡太守や侍中を経て、穀物や税を扱う大司農にまで昇りました。
著作には『老子』への注釈や、『春秋左氏伝』を論じた『朱墨別異』が伝えられています。









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