ことわざ

茶腹も一時

(ちゃばらもいっとき)

わずかなものでも、一時しのぎの役には立つことのたとえ。


9文字の言葉ち・ぢ」から始まる言葉
茶腹も一時 ことば
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意味

「茶腹も一時」は、お茶を飲んだだけの頼りない空腹しのぎのように、たとえ十分でなくても当座の間に合わせにはなるということわざです。
そこから、わずかな量やその場しのぎの手段であっても、無いよりはよほど助けになるという状況全般を指すようになりました。
大した効果は期待できないと分かっていても、何もしないよりはよいと考えるときに使われる言葉です。

  • 茶腹(ちゃばら):お茶を飲んだだけで、食べ物を口にしていない空腹の状態。

語源・由来

「茶腹も一時」ということわざは、お茶という飲み物の性質そのものから生まれた言い回しです。
茶は米や麦のように腹に残る食べ物ではありませんが、器いっぱいに飲めば胃が膨れ、しばらくの間だけ空腹を忘れることができます。
この、頼りないものでもひとまず当座はしのげるという体感が、そのまま「わずかな手段でも一時しのぎにはなる」ということわざとして広まりました。

使い方・例文

「茶腹も一時」は、十分ではないと分かっていても、何らかの助けにはなるものを差し出したり受け取ったりする場面で使われます。

  • 小腹が空いたので、茶腹も一時とお茶を飲んだ。
  • 予算はわずかだが、茶腹も一時の足しにはなるはずだ。

類義語・関連語

「茶腹も一時」と同じ発想で、茶の代わりに別のものを主語にした言い方があります。

  • 湯腹も一時(ゆばらもいっとき):
    白湯を飲んだだけでも、しばらくは空腹をしのげるということ。
  • 粥腹も一時(かゆばらもいっとき):
    薄い粥を食べただけでも、当座の空腹はまぎれるということ。

英語表現

better than nothing

十分ではなくても、何もないよりは価値があるという考え方が「茶腹も一時」に近い言い方。

A small breakfast is better than nothing before a long trip.
(長旅の前は、軽い朝食でも何も食べないよりはましです。)

俳諧が詠んだ「一ふく」で紛れる空腹

「茶腹も一時」の古い使用例として、1707年(宝永4年)刊行の俳諧集に「一ふく飲んで茶腹一時」という句が見られます。
お茶を一杯飲んだだけでも、しばらくは空腹を紛らわせることができるという、江戸期の生活実感を詠んだ句です。

「茶腹」とは、お茶を飲むことで得られる腹の満たされ方を指す言葉です。
お茶そのものに空腹を満たすほどの栄養があるわけではないものの、飲んで一息つくことで当座の空腹感をやり過ごせることから生まれた表現とされます。

同じ発想で「粥腹も一時」「水腹も一時」といった類義の言い方もあり、わずかなもので一時しのぎをする状況をたとえる言葉として、江戸時代から使われてきました。

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