意味
「路頭に迷う」は、仕事や住まいなど生活を支えるものを失い、これからどうすればよいか分からず途方に暮れることを表す言葉です。
個人の困窮だけでなく、会社の倒産などで大勢が一度に生活の基盤を失う場面でもよく使われます。
- 路頭(ろとう):道路の上、道端。
語源・由来
「路頭に迷う」は、道端を意味する「路頭」に、行くべき方向が分からず立ち尽くす「迷う」を組み合わせた言葉です。
生活の手立てを失った人が、身を寄せる場所もなく道端でさまようしかない情景が、そのまま生活に困り果てた状態を表す言い方になりました。
使い方・例文
「路頭に迷う」は、仕事や住まいを失って生活に困る場面や、そうなる恐れを語る場面で使われます。
- 会社が突然倒産し、社員たちは明日から路頭に迷うことになった。
- この事業が失敗すれば、家族ともども路頭に迷いかねない。
誤用・注意点
「路頭に迷う」は、本来は生活の手段や住む家を失うという、経済的に困窮した状態を指す言葉です。
単に人生の進路に迷っている、というような漠然とした悩みを表す場合には使いません。
類義語・関連語
「路頭に迷う」と同様に、生活の苦しさを表す言葉には、次のようなものがあります。
- 糊口をしのぐ(ここうをしのぐ):どうにか暮らしを立てて、生きながらえること。
「路頭に迷う」と「糊口をしのぐ」の違い
どちらも生活の苦しさを表す言葉ですが、状態の深刻さが異なります。「路頭に迷う」は生活の手段を完全に失い、途方に暮れている状態を指すのに対し、「糊口をしのぐ」は苦しいながらも、どうにか暮らしをつないでいる状態を指します。
| 語句 | 状態の深刻さ | 生活の手段 |
|---|---|---|
| 路頭に迷う (ろとうにまよう) | 完全に行き詰まっている | 失っている |
| 糊口をしのぐ (ここうをしのぐ) | 苦しいが持ちこたえている | かろうじて保っている |
対義語
「路頭に迷う」とは反対に、生活の心配がなく安楽に暮らす様子を表す言葉に、次のものがあります。
- 左うちわで暮らす(ひだりうちわでくらす):生活の心配が何もなく、のんびりと安楽に暮らすこと。
英語表現
out on the street
仕事や住まいを失い、生活に困る状態を表す言い方。
If the factory closes, hundreds of workers will be out on the street.
(工場が閉鎖されれば、何百人もの労働者が路頭に迷うことになる。)
人別帳から名前が消えた人々
江戸時代には、生活の基盤を失うことが、そのまま社会的な身分の喪失に直結する仕組みがありました。
当時の人々は「人別帳」と呼ばれる戸籍のような台帳に一人ひとり登録されており、飢饉や貧困、あるいは罪を犯したことなどが原因で故郷を離れ、新しい土地で登録し直せなかった人は、その台帳から名前を消され「無宿」という扱いになりました。
無宿となった人は正式な身分を失い、物乞いをしたり盗みを働く集団に加わったりしながら都市部に流れ込むことも少なくなかったと伝えられています。
生活の手段を失うことが、文字通り社会の外へ追い出されることを意味した時代の記録です。









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