慣用句

蚊帳の外

(かやのそと)

重要な話し合いや物事から外され、内情を知らされない立場に置かれること。


5文字の言葉か・が」から始まる言葉
蚊帳の外 ことば
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意味

「蚊帳の外」は、周囲では話が進んでいるのに、自分だけが知らされず加われない立場を表す言い方です。
悪意の有無にかかわらず、単に情報が届いていない、輪の外に置かれているという状況全般に使われます。
仲間はずれにされて嫌な思いをする場面だけでなく、担当外だから知らされていないだけ、という中立的な場面でも使われる言葉です。

  • 蚊帳(かや):蚊を防ぐために、寝床の上に吊るす網。

語源・由来

「蚊帳の外」は、蚊帳という道具の構造そのものから生まれた言い方です。
蚊帳は、寝ている間に蚊に刺されないよう部屋の中に吊るして寝床を囲む網で、奈良時代にはすでに日本に伝わっていたとされています。
蚊帳の中にいれば蚊に刺されずに済みますが、外にいる者は蚊に刺され放題です。
この、同じ部屋にいながら網一枚で守られる側と刺される側に分かれる様子から、情報や仲間の輪に入れてもらえず、一人だけ不利な立場に置かれることを指す言葉として使われるようになりました。

使い方・例文

「蚊帳の外」は、話し合いや計画から自分だけが外されている状況を伝える場面で使われます。

  • 人事の話し合いは、当の本人が蚊帳の外で進められた。
  • 急な方針転換について、現場は完全に蚊帳の外に置かれていた。

類義語・関連語

「蚊帳の外」と同じく、組織の中で不利な立場に置かれることを表す言葉に、次のようなものがあります。

  • 冷や飯を食う(ひやめしをくう):
    組織の中で冷たい扱いを受け、不遇な立場に置かれること。

「蚊帳の外」と「冷や飯を食う」の違い

どちらも組織の中での不利な立場を表しますが、外されているものが異なります。
「蚊帳の外」は情報や話し合いから外されることを指すのに対し、「冷や飯を食う」は待遇や扱いそのものが冷遇されることを指します。

語句外されるもの具体例
蚊帳の外
(かやのそと)
情報・話し合い重要な決定を知らされない
冷や飯を食う
(ひやめしをくう)
待遇・扱い閑職に回される

英語表現

out of the loop

情報が回ってくる輪の外にいるという言い方で、「蚊帳の外」とほぼ同じ構造を持つ表現。

I’ve been out of the loop since I returned from leave.
(休みから戻ってから、私はずっと蚊帳の外に置かれています。)

網戸とエアコンに譲った道具

蚊帳という道具は、昭和の高度経済成長期にはナイロン製のものが広く普及していました。
しかし1960年代から70年代にかけて、エアコンやアルミサッシの窓が各家庭に普及するとともに、急速に姿を消していきました。
今の家庭で実物の蚊帳を目にする機会はほとんどありません。
それでも「蚊帳の外」という言い方は、道具そのものが失われたあとも表現として残り、情報や仲間の輪から外れることを指す言い方として、日常会話で使われています。
実物の蚊帳を知らない世代でも、意味だけを引き継いで使っている点は、言葉の中でも珍しい部類に入ります。

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