意味
「金甌無欠」とは、傷一つない黄金の器のように、物事や国家が完全で少しの欠陥もないことを指す四字熟語です。
特に、他国からの侵略を一度も受けたことのない、堅固な国家のあり方をたとえる際に使われてきました。
- 金甌(きんおう):金属で作った、かめ・つぼ型の器。
- 無欠(むけつ):欠けたところがないこと。
語源・由来
「金甌無欠」は、中国の歴史書『南史』の朱异伝に、南北朝時代の梁の皇帝蕭衍が自国を「金甌のように、一つの欠けもない」とたとえた言葉が登場します。
黄金の甕は硬く壊れにくいことから、隙のない堅固さの象徴とされ、この言葉が国家や物事の完全さをたとえる四字熟語として使われるようになりました。
使い方・例文
「金甌無欠」は、国家や制度、計画などが完全で揺るぎない様子を表す際に使われる、やや硬い言い回しです。
- 建国以来、我が国は一度も他国の支配を受けていない金甌無欠の国だと誇る人もいる。
- 彼の立てた計画は金甌無欠に見えたが、実行段階で穴が見つかった。
類義語・関連語
「金甌無欠」と同様に、欠点や不足が全くない状態を表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 完全無欠(かんぜんむけつ):
不足や欠点が全くなく、完璧であること。
「金甌無欠」と「完全無欠」の違い
「金甌無欠」は国家の堅固さをたとえる場面で使われることが多いのに対し、「完全無欠」は人や物事全般の欠点のなさを表す、より日常的な言葉です。
| 語句 | 使われる対象 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 金甌無欠 (きんおうむけつ) | 国家・体制など | 侵されたことのない堅固さ |
| 完全無欠 (かんぜんむけつ) | 人・物事全般 | 単純な欠点のなさ |
英語表現
as sound as a bell
直訳すると「鐘のように健全」で、傷や欠陥が一つもなく申し分ない状態を表す表現。
The old bridge is still as sound as a bell.
(その古い橋は今も欠陥一つなく健全だ。)
airtight
直訳は「密閉された」で、議論や計画に一切の穴や弱点がないことを表す表現。
Her alibi was airtight, with no gaps at all.
(彼女のアリバイには、隙が一つもなかった。)
崩れた黄金の甕
「金甌無欠」という言葉で自国の堅固さを誇った梁の武帝蕭衍でしたが、その晩年は言葉どおりにはいきませんでした。
548年に部下の武将侯景が反乱を起こすと都は包囲され、86歳の武帝は幽閉されたすえに食料を断たれ、549年に宮殿の中で亡くなったと伝えられています。
金甌のような揺るぎなさを誇った国家も、実際には内側から崩れることがあるという、皮肉な結末を残した逸話です。









コメント