意味
「亭主関白(ていしゅかんぱく)」とは、夫が家庭の中で絶大な力を握り、関白さながらに幅を利かせているという意味の四字熟語です。
妻や子が夫の意向に逆らえない、家庭内での力関係の偏りを表す言葉で、褒め言葉というよりやや皮肉を含んだ響きを持ちます。
- 亭主(ていしゅ):一家の主人、夫。
- 関白(かんぱく):天皇を補佐した、日本の最高官職。
語源・由来
「亭主関白」は、夫を、天皇を補佐して国政を握った「関白」という官職にたとえた言い回しです。
「関白」の語自体は、中国前漢の皇帝が家臣に「諸事は先に関白(かんぱく、申し上げよ)」と命じたという故事に由来するとされ、日本ではそこから、天皇に代わって実質的な権力をふるう最高位の官職名として定着しました。
家庭という小さな場で、夫がこの関白のように強い決定権を持つ様子を、大げさに、あるいは皮肉を込めてたとえた言葉です。
使い方・例文
「亭主関白」は、夫が家庭内で強い発言力を持つ様子を語る場面で使われます。
- 祖父の代は、亭主関白で家族全員が父の顔色をうかがっていた。
- 彼は職場では物静かだが、家では亭主関白を気取っている。
対義語
「亭主関白」とは反対に、妻が家庭の実権を握ることを表す言葉があります。
- かかあ天下(かかあでんか):
妻の発言力が強く、家庭内の実権を妻が握っていること。
英語表現
wear the trousers
直訳は「ズボンをはいている」で、夫婦や家庭の中で主導権を握っている側を指す言い回し。
伝統的に男性の衣服とされたズボンを引き合いに出す句で、妻が主導権を握る場合に使うことが多い表現。
Everyone knows he wears the trousers in that house.
(あの家では彼が亭主関白だと誰もが知っている。)
「亭主関白」のもとの意味は客より上座
「亭主関白」は、もとは家の主人が客より上座に着くことを言う言葉でした。
1672年(寛文12年)の俳諧の本に使われた例があり、ここでの「亭主」は客を迎える側の主人を指します。
夫が家の中でいばるという今の意味では、明治の落語家、三代目柳家小さんの「橋場の雪」(1896年)の速記に例があります。
そこには「尤も亭主関白の位あり、女房と畳とは新らしいのに限ると云ふ怪からん事を申しますが」(もっとも、亭主は関白の位にあるもので、女房と畳は新しいのに限るなどという、けしからんことを申しますが)とあります。
「関白」を権力の強い者のたとえに使うことは古く、鎌倉時代の説話集『十訓抄』(1252年)には、世を思うままにした人が「法師関白」とまで呼ばれた話があります。
「亭主関白」は、このたとえを家の主人に当てはめた言葉で、客を迎えたときの席の順から、家族に対するふるまいへと、指す場面が移ってきました。










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