意味
「号泣する(ごうきゅうする)」とは、声を張り上げて泣くという意味です。
声の大きさに重心がある言葉で、涙の量や泣き方の激しさそのものを表す言葉ではありません。
- 号(ごう):いたみ悲しむ声を上げること。
語源・由来
「号泣」の「号」は、もともと痛み悲しんで声を上げることを表す漢字です。
旧字の「號」ではこれに「虎」が加わり、虎のように大声で叫ぶ意味を持つようになりました。
「泣」と合わさった「号泣」は、この大声のニュアンスを受け継ぎ、涙を流しながら大声をあげることを表す言葉になりました。
使い方・例文
- 訃報を聞いた瞬間、彼女はあたりはばからず号泣した。
- 感動のあまり、会場のあちこちで号泣する観客が見られた。
- 優勝の瞬間、選手たちは大声を上げて号泣した。
誤用・注意点
文化庁の令和4年度「国語に関する世論調査」では、本来の「大声を上げて泣く」と答えた人が30.3パーセント、「激しく泣く」と答えた人が42.1パーセントでした。
さらに「両方」と答えた人も25.8パーセントおり、三つの回答が拮抗する結果になっています。
「号泣」は涙の量や表情の激しさではなく、あくまで声の大きさを表す言葉である点を押さえておくと、本来の意味からずれずに使えます。
類義語・関連語
この言葉と同じように、声を伴う泣き方を表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 慟哭(どうこく):
悲しみのあまり、身をよじって激しく泣くこと。 - 咽び泣く(むせびなく):
息を詰まらせながら、こらえきれずに泣くこと。
「号泣する」と類義語の違い
違いは、声の出し方にあります。
| 語句 | 声の出し方 |
|---|---|
| 号泣する (ごうきゅうする) | 大声を出して泣く |
| 慟哭 (どうこく) | 声だけでなく、身をよじる動きも伴う激しさ |
| 咽び泣く (むせびなく) | 声を抑えようとして、かえって詰まる |
対義語
反対に、声を出さずに静かに涙を流す様子を表す言葉は以下の通りです。
- 忍び泣く(しのびなく):
人に気づかれないよう、声を殺して泣くこと。
英語表現
英語では、次のような言い方でこの泣き方を表します。
wail
大きな声を出して泣き叫ぶことを指す言い方。
The child began to wail loudly in the store.
(その子は店の中で大声を上げて号泣し始めました。)
bawl
大声を上げて泣きわめくことを指す動詞。
He bawled like a child when he heard the news.
(知らせを聞いて、彼は子どものように号泣しました。)
舜、田に出て天に号泣
中国の古典『孟子』万章上篇には、弟子の万章と孟子の次のような問答があります。
萬章問曰:「舜往于田,號泣于旻天。何為其號泣也?」孟子曰:「怨慕也。」
(万章が尋ねた。「舜は田に出て、天に向かって号泣しました。なぜ号泣したのでしょうか。」孟子は答えた。「怨み、そして慕ったのだ。」)
孟子は続けて、帝が自分の九人の息子と二人の娘を舜に仕えさせ、天下を譲ろうとしても、父母に受け入れられない舜の憂いは解けなかったと説いています。
章の終わりでは、五十歳になっても父母を慕い続けた者を舜に見た、と述べています。









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