やおら

(やおら)

静かに、そっと事を始めるさま。


3文字の言葉 / 「や」から始まる言葉
やおら ことば
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意味

「やおら」とは、気負うことなく、落ち着いた調子で動作に移るという意味です。
多くは「やおら立ち上がった」のように、静かな間合いを経て何かを始める場面で使います。
「急に、いきなり」という正反対の意味で使われることもあります。

語源・由来

「やおら」は、歴史的仮名遣いでは「やをら」と書かれた古い言葉です。
柔らかい、穏やかだという意味の「やはら」と同じ語源だという説もありますが、確定しているわけではありません。
静かに身を動かす様子や、少しずつ事を行う様子を表す言葉で、現代では悠然と動作を起こす様子に使うことが多くなっています。

使い方・例文

  • 彼はやおら立ち上がると、静かに部屋を出ていった。
  • 店主はやおら口を開き、昔語りを始めた。

誤用・注意点

文化庁の平成29年度「国語に関する世論調査」では、本来の「ゆっくりと」と答えた人が39.8パーセント、「急に、いきなり」と答えた人が30.9パーセントでした。
「やおら」は誤用が多い語として紹介されることがありますが、実際には本来の意味を知っている人の方がわずかに多いという結果です。
ただし「分からない」と答えた人が23.5パーセントと他の語に比べて高く、そもそもあまり馴染みの無い言葉になっていることもうかがえます。
平成18年度の調査では「急に、いきなり」と答えた人が43.7パーセントに上っており、この11年間で誤用とされる受け取り方は大きく減っています。
年齢別に見ると、60代以上で本来の意味を選んだ人の割合が高く、若い世代ほど「急に、いきなり」を選ぶ傾向があります。

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類義語・関連語

この言葉と同じように、落ち着いた動作の始まりを表す言葉には、以下のようなものがあります。

  • おもむろに:
    落ち着いて、ゆっくりと物事を始める様子。
  • そろそろと:
    音を立てないよう、慎重に少しずつ動く様子。

「やおら」と類義語の違い

どれもゆっくりと物事を始める様子を表す言葉です。
中でも「おもむろに」は、文化庁の平成26年度の調査でも本来の「ゆっくりと」が44.5パーセント、誤用の「不意に」が40.8パーセントと、「やおら」と同じく拮抗しており、誤解されやすい点まで共通しています。
動作そのものの静けさを言うか、落ち着いた心構えを言うか、音を立てない慎重さを言うかで分かれます。

語句ニュアンス
やおら静かに、そっと動作を始める様子
おもむろに落ち着いた心構えから、ゆっくりと事を始める様子
そろそろと音を立てないよう、慎重に少しずつ動く様子

英語表現

英語では、次のような言い方でこの落ち着いた動作を表します。

slowly

急がず、時間をかけて動作をする様子を表す、最も一般的な言い方。

He slowly rose from his chair.
(彼はやおら椅子から立ち上がりました。)

quietly

音を立てず、静かに動作をする様子を表す言い方。

She quietly opened the door.
(彼女はやおら扉を開けました。)

「急に」と正反対の意味に誤解される理由

「やおら」が「急に、いきなり」の意味に誤解される理由として、響きの似た「やにわに(矢庭に)」との混同が指摘されています。
「やにわに」は「その場ですぐに、いきなり」を意味する言葉で、「やおら」とは正反対の意味です。

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