ことわざ

蜘蛛の巣に朝露がかかると晴れ

(くものすにあさつゆがかかるとはれ)

蜘蛛の巣に朝露が付く朝を晴れの兆しとするが、雨の兆しとする資料もある言い伝え。


16文字の言葉 / 「く・ぐ」から始まる言葉
蜘蛛の巣に朝露がかかると晴れ ことば
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意味

「蜘蛛の巣に朝露がかかると晴れ(くものすにあさつゆがかかるとはれ)」とは、朝、蜘蛛の巣に細かな水滴がびっしり付いている様子を、その日は良い天気になる目印と見るという意味です。
ただし同じ光景を、資料によっては雨が近いしるしと読む例もあり、見方が一つに定まっているわけではありません。
観天望気の一つで、庭先や道端で見られるごく小さな光景から天気を読み取ろうとする言い伝えです。
こうした天気の言い伝えは「天気のことわざ」や「天気俚諺りげん」(= 天気に関することわざ)とも呼ばれます。

語源・由来

観天望気は、空を見上げるだけでなく、庭先や道端の小さな景色からも天気を読み取ろうとしてきた知恵の集まりです。
蜘蛛の巣に露がかかった光景は、平安時代の歌人・能因法師のういんほうしの歌にも美しい風情として詠まれるなど、古くから人々の目を引いてきました。
こうした身近な光景の一つが、天気を占う目印としても語り継がれるようになったと考えられます。

朝露の粒がついた蜘蛛の巣
朝露のついた蜘蛛の巣
(写真:Luc Viatour、Wikimedia Commons/CC BY-SA 3.0)

露が降りるのは風のない夜と説明される

朝露は、夜の間の風が弱く、空を覆う雲が少ない状態が続くと降りやすいといわれています。
そのため蜘蛛の巣に朝露がびっしり付いている光景は、前の晩が穏やかに晴れていたことを示すサインとして説明されることがあります。
なお、蜘蛛については「巣を張ると晴れ」という言い伝えも別に伝わっており、こちらは朝露の有無ではなく、蜘蛛が新しく巣を作り直す行動そのものに注目したものです。
二つは似ていますが、着目している場面が異なります。

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使い方・例文

この言い伝えは、朝の散歩や登山の前など、実際にその光景を目にした場面で使われることが多い言葉です。

例文

  • 朝、庭の蜘蛛の巣に朝露がかかっているのを見て、傘を持たずに出かけた。
  • 「蜘蛛の巣に朝露がかかると晴れというし、今日は洗濯日和だ」と母が笑った。
  • 登山口で蜘蛛の巣に朝露が光るのを見つけ、今日は晴れると確信した。

類義語・関連語

身近な生き物の様子から晴れや雨を見分けようとする言い伝えは、蜘蛛のほかにも数多く伝わっています。

  • 燕が低く飛ぶと雨(つばめがひくくとぶとあめ):
    湿った空気で低く飛ぶ虫を追い、燕も低空を飛ぶ様子を雨の前触れとする言い伝え。
  • カマキリが高く卵を産むと大雪(かまきりがたかくたまごをうむとおおゆき):
    カマキリが卵を産む高さから、その冬の積雪量を見立てる言い伝え。

同じ「巣と露」でも、雨の前兆とする資料もある

英国王立気象学会の元会長リチャード・インワーズが1898年にまとめた『Weather Lore(ウェザー・ロア)』という天気俚諺集には、朝露で覆われた蜘蛛の巣が野原一面に光る光景について、「雨が近いしるし」と記す一節があります。
ところが同じ本の中で、C・L・プリンスという人物はこれに異を唱え、同じ光景を「良い天気のしるし」だと述べたことも書き添えられています。

一冊の本の中でさえ解釈が分かれていることからも、朝露と蜘蛛の巣を結び付けた言い伝えは、地域や観察した人によって見方が異なっていたことがうかがえます。
同じ本には、蜘蛛が巣の手入れをする様子を晴天のしるしとする、また別の言い伝えも記録されています。

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