意味
「突っ慳貪(つっけんどん)」とは、相手への思いやりがなく、とげとげしい態度や物言いをすることを指します。
話しかけたときの返事や人への接し方について使われることが多く、冷たく愛想がない印象を相手に与えます。
語源・由来
「突っ慳貪」のもとになった「慳貪」は、「慳」が物を惜しむこと、「貪」が欲深くむさぼることを指し、この二つを合わせて、けちで欲が深く、無慈悲なさまを表す言葉です。
やがて「慳貪」は、けちで欲深いという意味に加えて、思いやりがなく冷淡なこと、無愛想なことも表すようになりました。
「突っ慳貪」は、この冷淡な意味の「慳貪」に、勢いや程度を強める接頭語「突っ」が付いてできた言葉です。
「突っ張る」「突っ込む」と同じ「突っ」で、素っ気なさやとげとげしさを強調する働きをしています。
使い方・例文
「突っ慳貪」は、「突っ慳貪な態度」「突っ慳貪にあしらう」のように、態度や振る舞いを修飾する形でよく使われます。
- 些細な質問をしただけなのに、突っ慳貪にあしらわれてしまった。
- 彼は誰に対しても突っ慳貪な物言いをするので煙たがられる。
- 電話口での突っ慳貪な対応に、思わずむっとしてしまった。
類義語・関連語
この言葉と同様に、無愛想で冷たい態度や物言いを表す言葉には、次のようなものがあります。
- 邪慳(じゃけん):
思いやりがなく、無愛想で冷たい態度をとること。 - けんもほろろ:
人の頼みや相談を、にべもなく冷たく断ること。 - ぶっきらぼう:
話し方や態度に愛想がなく、そっけないこと。 - 取り付く島がない(とりつくしまがない):
相手の態度が冷たく、話しかけるきっかけさえつかめないこと。
「突っ慳貪」と「けんもほろろ」の違い
どちらも冷たく無愛想な様子を表しますが、使われる場面が異なります。
| 語句 | ニュアンス |
|---|---|
| 突っ慳貪 (つっけんどん) | 態度や話し方そのものが、日常的にとげとげしく愛想がない |
| けんもほろろ | 頼み事や相談を、にべもなく冷たく断る場面に限って使う |
英語表現
英語で近いニュアンスを表す言葉に、次のようなものがあります。
be short with someone
相手にぶっきらぼうで素っ気ない態度をとる、突っ慳貪な受け答えを表す表現。
The clerk was short with me when I asked for a refund.
(返金を頼んだら、店員に突っ慳貪な対応をされました。)
curt
言葉数が少なく、そっけない話し方や返事を表す形容詞。
He gave a curt reply and hung up the phone.
(彼は突っ慳貪な返事をして電話を切りました。)
「突っ慳貪」の「けんどん」、語源論争で馬琴と美成が絶交
「慳貪」は江戸時代、一杯ずつの盛り切りで代わりを出さないうどんやそば、酒、飯を指す語としても使われ、「倹飩」とも書きました。
それを運ぶ箱は「けんどん箱」と呼ばれました。
文政7年(1824年)から開かれた耽奇会(=文人たちが珍しい古書画や古器物を持ち寄り、考証し合った会)で、豪華なけんどん箱「大名けんどん」が取り上げられ、この「けんどん」という語をめぐって随筆家の山崎美成と、『南総里見八犬伝』で知られる曲亭馬琴が論争になりました。
論争は翌文政8年(1825年)3月、二人の絶交にまで至り、馬琴はこのいきさつを『兎園小説』の別集に書き残しています。

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