善は急げ

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ことわざ 慣用句
善は急げ
(ぜんはいそげ)

6文字の言葉せ・ぜ」から始まる言葉

道端で困っている人を見かけて、助けようか迷っているうちにその人が立ち去ってしまった。
新しい趣味を始めたいと思いながら、準備の面倒さに負けて数ヶ月が過ぎてしまった。
「あの時すぐに行動していれば」という後悔は、誰しもが抱くものです。
そんな、良いと思ったことを即座に実行に移す大切さを説く言葉が、
「善は急げ」(ぜんはいそげ)です。

意味・教訓

「善は急げ」とは、良いと思ったことは、ためらわずにすぐ実行に移すべきだという教訓です。

「善」は道徳的に正しいことだけでなく、自分にとってプラスになることや、好ましい計画なども含みます。
良い行いやチャンスは、時間が経つと周囲の状況が変わったり、自分自身のやる気が削がれたりして、結局実現できずに終わってしまうことが多いものです。
「いつかやろう」ではなく「今すぐやる」という姿勢が、物事を成功させる鍵であることを教えています。

語源・由来

「善は急げ」の由来は、仏教の教えに基づくとされています。

仏教の経典の一つである『大日経』には、「善事を行おうとするならば、速やかにそれを行い、心が悪に傾かないようにせよ」といった趣旨の教えが記されています。
人間は放っておくと怠惰な心や悪い誘惑に負けやすいため、善い心が生じた瞬間にそれを形にする必要があるという考え方です。

なお、江戸時代の「江戸いろはかるた」の「ぜ」の札として採用されたことで、庶民の間にも広く普及し、現代まで受け継がれる代表的なことわざとなりました。

使い方・例文

良いチャンスを逃さないよう背中を押す場面や、自分の決断を正当化する際によく使われます。
ビジネスの提案だけでなく、家庭内での手伝いや友人への連絡など、日常の些細な「良いこと」に対しても適応できる言葉です。

例文

  • 善は急げと言うし、お世話になった先生に今すぐお礼の手紙を書こう。」
  • 「ボランティアの募集を見つけたのなら、善は急げで今日中に申し込んだほうがいい。」
  • 「引っ越しの片付けを手伝ってくれるという申し出は、善は急げでありがたく受けることにした。」
  • 善は急げだ。このアイディアが他社に先越される前に、明日の会議で提案しよう。」

類義語・関連語

「善は急げ」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 思い立ったが吉日(おもいたったがきじつ):
    何かをしようと思いついた日こそが最も縁起の良い日であり、すぐ始めるべきだということ。
  • 鉄は熱いうちに打て(てつはあついうちにうて):
    物事は、関心や情熱があるうちに実行しないと、後からではうまくいかないという例え。
  • 先んずれば人を制す(さきんずればひとをせいす):
    人より先に行動すれば、有利な立場に立てるということ。
  • 迅速果断(じんそくかだん):
    素早く決断し、迷いなく実行に移すこと。
  • 即断即決(そくだんそっけつ):
    その場ですぐに判断を下し、決定すること。

対義語

「善は急げ」とは対照的な意味を持つ言葉には、慎重さを促す言葉が多く見られます。

  • 急いては事を仕損じる(せいてはことをしそんじる):
    何事も焦って行うと、冷静さを欠いて失敗しやすいということ。
  • 急がば回れ(いそがばまわれ):
    急いでいる時こそ、危険な近道よりも、確実な遠回りを選ぶほうが結局は早く着くということ。
  • 石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる):
    用心に用心を重ね、非常に慎重に物事を進めること。
  • 念には念を入れよ(ねんにはねんをいれよ):
    十分に注意した上にも、さらに注意深く確認すべきだということ。
  • 遅疑逡巡(ちぎしゅんじゅん):
    疑い迷って、なかなか決断できずにぐずぐずすること。
  • 優柔不断(ゆうじゅうふだん):
    決断力がなく、いつまでも迷っていること。

英語表現

「善は急げ」を英語で表現する場合、以下のような定型句がよく使われます。

There is no time like the present.

  • 意味:「今ほど良い時はない」
  • 解説:何かを始めるのに「今」以上に適した時間はない、つまり思い立ったらすぐやるべきだというニュアンスで使われます。
  • 例文:
    If you want to start exercising, there is no time like the present.
    (運動を始めたいなら、善は急げだ。)

Strike while the iron is hot.

  • 意味:「鉄は熱いうちに打て」
  • 解説:チャンスが目の前にあるうち、あるいは熱意があるうちに動くべきだという、「善は急げ」に非常に近い慣用句です。
  • 例文:
    We should apply for the grant now. Let’s strike while the iron is hot.
    (今すぐ助成金を申請しよう。善は急げだ。)

まとめ

「善は急げ」は、私たちの背中をそっと、時に力強く押してくれる言葉です。
良いアイディアや親切な気持ちも、行動に移さなければ、この世に存在しないのと同じことかもしれません。

もちろん、大切な決断には「急がば回れ」の精神が必要な時もあります。
しかし、ふとした瞬間に心に浮かんだ「善」を、迷わず形にする瞬発力を持つことは、人生をより豊かで後悔のないものにする助けとなることでしょう。
今この瞬間、何かやりたいことが頭をよぎったのなら、それこそが行動すべき最高のタイミングと言えるかもしれません。

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