「ギャップ」を表すことわざ・四字熟語一覧。見かけによらない意外性

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「ギャップ」を表すことわざ・四字熟語一覧 【特集】ことわざ・慣用句・四字熟語

新しいクラスメイトが怖そうに見えて実はとても優しかったり、有名店の料理が期待ほどではなかったり。
思い描いていたイメージと、現実の姿との間に大きな落差を感じる瞬間は誰にでもあるものです。
そんな「期待と現実のずれ」や「外見と中身の相違」といった、いわゆる「ギャップ」(ぎゃっぷ)を言い表す言葉は、古くから数多く存在します。

もくじ
  1. 期待を裏切る見掛け倒し
  2. 意外な才能や隠れた素顔
  3. 表情と本心の激しい二面性
  4. 比較にならない圧倒的な差
  5. まとめ

期待を裏切る見掛け倒し

立派な外見や事前の評判に反して、実際の中身が伴っていない残念な状況を指す言葉です。

羊頭狗肉(ようとうくにく)

店頭には立派な羊の頭を掲げながら、裏では安い犬の肉を売るという中国の古事に由来します。
宣伝や見かけだけは立派ですが、実態が全く追いついていないことを鋭く批判する際によく使われます。
「看板倒れ」や「有名無実」と似たニュアンスを持ち、ビジネスシーンでの過大広告などを揶揄する際にも登場します。

竜頭蛇尾(りゅうとうだび)

始まりは竜の頭のように勢いがあるものの、終わりは蛇の尾のように細く力なくなってしまう様子を表します。
期待に胸を膨らませて始めた計画が、時間の経過とともに尻すぼみになっていく「時間の経過に伴うギャップ」を指すのが特徴です。
英語では “Go up like a rocket and come down like a stick.”(ロケットのように上がり、棒のように落ちる)と例えられます。

張子の虎(はりこのとら)

中身が空洞の紙で作られた虎の人形が、首を振る仕掛けになっていることに由来します。
見た目は強そうでも実力が全くない人や、自分の意志がなく他人の意見にうなずくだけの人を指します。
単なる「見掛け倒し」だけでなく、中身が伴わないことによる「脆さ」を含んだ表現です。

看板倒れ(かんばんだおれ)

掲げている看板(評判や宣伝)に実力が及ばず、信用を失ってしまうことです。
料理の写真だけが豪華なレストランや、大口を叩きながら実行力が伴わない人物の評価として使われます。
羊頭狗肉に近い言葉ですが、より日常的な表現として親しまれています。

独活の大木(うどのたいぼく)

ウドは数メートルもの大きさに育ちますが、茎が柔らかすぎて建築資材などの役には立ちません。
このことから、体格ばかりが立派で、中身や実力が伴わず役に立たない人を指す比喩として使われます。
「山椒は小粒でもぴりりと辛い」とは対照的な意味を持つ言葉です。

虚仮威し(こけおどし)

「虚仮」とは愚かなことや中身がないことを意味し、浅はかなハッタリで人を驚かせようとすることを指します。
実力がないことを隠すために、外見だけを派手に飾ったり、強い言葉を使ったりする様子です。
現代でも、中身のない過剰な演出を批判する際に使われます。

大山鳴動して鼠一匹(たいざんめいどうしてねずみいっぴき)

大きな山が激しく音を立てて揺れ動いたので、大地震や噴火かと皆が身構えたところ、穴からネズミが一匹出てきただけだったという寓話が由来です。
事前の騒ぎや期待が大きかった割に、結果が拍子抜けするほど小さかったという「期待値のギャップ」を強調する言葉です。

有名無実(ゆうめいむじつ)

名前だけが広く知れ渡っているが、それにふさわしい実質や価値が失われている状態を指します。
かつては名門だった学校や、形骸化した規則などに対して使われます。
羊頭狗肉が「騙そうとする意図」を感じさせるのに対し、こちらは「実態が伴っていない状態」そのものを指す傾向にあります。

意外な才能や隠れた素顔

パッと見の印象では判断できない、良い意味での驚きや深みのある人物像を表す言葉です。

能ある鷹は爪を隠す(のうあるたかはつめをかくす)

狩りの名手である鷹は、獲物を狙う時以外はその鋭い爪を隠しているものです。
本当に実力がある人は、それをむやみに周囲へ見せびらかしたりしないという教えです。
普段は目立たない人が、いざという時に圧倒的な力を発揮する「かっこいいギャップ」の代名詞といえます。

人は見かけによらぬもの(ひとをみかけによらぬもの)

その人の本質や才能、性格は、外見や第一印象だけでは分からないという教訓です。
怖そうな人が実は子供好きだったり、おとなしい人が情熱的な趣味を持っていたりと、外見と内面の食い違い全般に使える便利な表現です。
「表紙で本を判断してはいけない」という英語の表現も同じ知恵を伝えています。

山椒は小粒でもぴりりと辛い(さんしょうはこつぶでもぴりりとからい)

山椒の実は非常に小さいですが、口に含むと強烈な辛みと香りがあります。
体が小さくても、優れた才能や気性を持っていて侮れない人を称える際に使われます。
小柄な選手がスポーツで大活躍する場面など、体格と実力のギャップを表現するのに最適です。

大智は愚の如し(だいちぐのごとし)

真に優れた知恵を持っている人は、それをひけらかさないため、一見すると何も知らない愚か者のように見えるという意味です。
自分の知識を自慢するよりも、謙虚に振る舞うことの美徳を説いています。
「大賢は愚なるが如し」とも言い、相手を油断させるほどの深いギャップを表現しています。

外柔内剛(がいじゅうないごう)

外見は物腰柔らかで穏やかに見えますが、内面には誰にも負けない強い意志や信念を秘めていることです。
一見おっとりしている友人が、自分の夢のために必死に努力している姿などは、まさにこの言葉がふさわしいでしょう。
反対の意味を持つ言葉に、外見だけ強がる「内柔外剛」があります。

ボロ着てても心は錦(ぼろきててもこころはにしき)

錦とは美しく高価な織物のことで、たとえ身なりが貧しくても、心の中は気高く立派であるという意味です。
経済的な状況や外見的な美しさと、心の豊かさには関係がないことを教えてくれます。
「人は中身が重要である」という価値観を象徴するギャップの言葉です。

表情と本心の激しい二面性

普段の態度からは想像もつかないような、隠された本性や裏表を指摘する言葉です。

猫を被る(ねこをかぶる)

本性を隠しておとなしそうに見せかけたり、知っているのに知らないふりをしたりすることです。
借りてきた猫のように静かにしている様子から転じた言葉です。
家では騒がしい子供が学校でだけおしとやかにしているなど、環境による態度の落差を指す際にも使われます。

面従腹背(めんじゅうふくはい)

目の前では従順なふりをして命令を聞いていますが、心の中では反発し、裏で舌を出しているような状態です。
権力者に対する不満を隠している場合などに使われることが多く、組織における人間関係のギャップを象徴する四字熟語です。

口に蜜あり腹に剣あり(くちにみつありはらにけんあり)

言葉では甘く優しいことを言いながら、心の中では相手を陥れようとする恐ろしい悪意を持っていることです。
口蜜腹剣」とも略されます。
笑顔で接してくる相手が実はライバルを蹴落とそうとしているような、警戒すべき二面性を表しています。

借りてきた猫(かりてきたねこ)

いつもは元気よく騒いでいるのに、不慣れな場所や偉い人の前では、別人のように大人しくなってしまう様子です。
緊張や遠慮によって生じる「一時的な態度のギャップ」をコミカルに表現した言葉です。

内弁慶(うちべんけい)

家の中では威張っているのに、外に出ると気が弱くなってしまう人のことです。
内弁慶の外地蔵」とも言われ、身内と他人に対する態度の極端な違いを揶揄する際に用いられます。
身近な家族の意外な一面を指すのによく使われる表現です。

君子は豹変す(くんしはひょうへんす)

本来は「立派な人は、自分の間違いに気づくと豹の毛が抜け替わるように、鮮やかに良い方向へ変わる」という褒め言葉でした。
しかし現代では、主張や態度が手のひらを返したようにコロコロ変わるというネガティブなギャップを指して使われるのが一般的です。
言葉の意味そのものが時代とともに変化した珍しい例でもあります。

比較にならない圧倒的な差

二つのものを並べたとき、比べること自体が難しいほどの大きな隔たりを表す言葉です。

月とスッポン

どちらも丸い形をしていますが、夜空を照らす美しい月と、泥の中に住むスッポンでは、その価値や美しさに天と地ほどの差があるという意味です。
似ている部分があっても、本質的な実力や魅力がかけ離れている二者を比較する際に使われます。

雲泥の差(うんでいのさ)

高い空にある雲と、地上にある泥。
それほどまでに極端な違いがあることを指します。
テストの点数やスポーツの技術など、客観的な実力差を表現する際によく耳にする言葉です。

提灯に釣鐘(ちょうちんにつりがね)

形こそ釣り鐘に似ていますが、紙でできた提灯と重厚な鐘では、重さも価値も全く釣り合いません。
主に結婚や商談などで、身分や家柄、規模が違いすぎてバランスが取れないことを指す際によく使われます。

掃き溜めに鶴(はきだめにつる)

ゴミ捨て場のようなむさくるしい場所に、ひときわ美しく気品のある鶴が舞い降りたような様子です。
殺風景な場所や平凡な集団の中に、一人だけ飛び抜けて優れた人物がいるという「環境と人物のギャップ」を称賛する言葉です。

まとめ

ギャップにまつわる言葉には、期待を裏切る「羊頭狗肉」のような警句もあれば、秘めた実力を称える「能ある鷹は爪を隠す」のような知恵も含まれています。

共通しているのは、外側に見えているものだけが真実ではないというメッセージです。第一印象や評判だけで物事を判断せず、その奥にある本質を丁寧に見極めることで、私たちはより豊かな人間関係を築けるようになることでしょう。

意外な一面を見つけることは、時に驚きをもたらしますが、同時にその人や物の新しい魅力を発見するきっかけにもなることでしょう。

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