意味
「信賞必罰(しんしょうひつばつ)」とは、功績を上げた者には約束どおり賞を与え、罪を犯した者は例外なく罰するという意味です。
賞と罰のけじめをはっきりさせ、確実に行うことを言います。
- 信賞(しんしょう):必ず賞を与えること。
- 必罰(ひつばつ):必ず罰すること。
語源・由来
この言葉は、中国の歴史書『漢書』の宣帝紀に見えます。
前漢の宣帝の記録の終わりに、著者の班固が付けた賛(= 歴史書で記録の後に添える評)に、次の一節があります。
孝宣之治,信賞必罰,綜核名實,政事文學法理之士咸精其能
(宣帝の政治は、手柄には必ず賞を与え罪には必ず罰を下し、名目と実際が合っているかを細かく調べた。政務・学問・法律に携わる者は、みなその能力を磨いた)
これより古い『韓非子』の外儲説右上篇にも、民を戦わせる方法を晋の文公に問われた家臣の狐偃が、「信賞必罰」ならば戦わせられると答える場面があります。
使い方・例文
- 新しい監督は信賞必罰を掲げ、練習をさぼった選手は試合に出さなかった。
- 社長は信賞必罰の方針で、大きな契約を取った社員に特別賞を出した。
- 生徒会長は信賞必罰を大切にし、よい提案は表彰し、規則違反は注意した。
類義語・関連語
どれも、賞や罰を与えることにかかわる語です。
「信賞必罰」と類義語の違い
三つとも賞や罰の与え方を言う四字熟語ですが、扱うものと重きを置く点が違います。
| 語句 | 扱うもの | 重きを置く点 |
|---|---|---|
| 信賞必罰 (しんしょうひつばつ) | 賞と罰の両方 | 必ず行うこと |
| 論功行賞 (ろんこうこうしょう) | 賞だけ | 功績の大きさに応じること |
| 一罰百戒 (いちばつひゃっかい) | 罰だけ | ほかの人への戒めになること |
「信賞必罰」とたたえられた宣帝の治世
『漢書』の賛は、この一節のあとも宣帝の時代をほめ続けます。
技術や職人、器具の出来ばえは、その後の元帝・成帝の時代にも及ぶものが少なかったと述べ、北方の匈奴が乱れた際には、その王である単于が漢に従って臣下と名乗ったことを挙げます。
そして最後を、次のように結んでいます。
功光祖宗,業垂後嗣,可謂中興,侔德殷宗、周宣矣。
(功績は祖先を輝かせ、事業は子孫に受け継がれた。中興と言ってよく、その徳は殷の高宗や周の宣王に並ぶ)

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