意味
「若年寄(わかどしより)」とは、若いのに、ものの言い方や行動がお年寄りのように見える人という意味です。
若々しさや元気が感じられない人を言うこともあります。
もう一つは、江戸幕府で老中(= 幕府の政治を取りしきった常設の最高職)の次に重い役職という意味です。
主に旗本・御家人(= どちらも将軍直属の家来)を取りまとめる役で、領地の小さい譜代大名(= 古くから徳川家に従ってきた大名)から数人が選ばれました。
語源・由来
職名の「若年寄」は、3代将軍徳川家光のころに生まれました。
当時の幕府には、父の秀忠の代から仕えてきた重臣たちと、家光と同じ世代の側近たちという、二つのグループの「年寄」がいました。
若い側近たちは「若き年寄衆」と呼ばれ、これが若年寄という呼び名の始まりとされます。
成立した当初に、年寄衆(老中)よりも年の若い人が任じられたことが、この名のもとになっています。
使い方・例文
- 休みの日も盆栽の手入ればかりで、友達から若年寄とからかわれている。
- まだ二十代なのに「腰が痛い」が口ぐせで、まるで若年寄だ。
- 江戸時代の若年寄は、旗本や御家人を取りまとめる役目を負っていた。
使うときの注意
人を指す「若年寄」は、相手に若々しさが足りないことを言う言葉で、ほめ言葉ではありません。
「年寄り」を元気の無い人のたとえにしているので、言われた本人を傷つけるだけでなく、お年寄りを低く見る響きも含みます。
歴史の話で幕府の職名として使うぶんには問題ありません。
落ち着いた態度をほめたいときは「大人びている」「落ち着いている」、元気の無さを言いたいときは「覇気が無い」などと言い換えると、角が立ちにくくなります。
類義語
人を指す意味と重なる語です。
- 若朽(じゃっきゅう):
年は若いのに、気力や意欲が衰えている人。
幕府の内は若年寄、外は老中
老中は、朝廷・寺社・諸大名といった幕府の外の勢力を受け持ち、国の政治を担当しました。
これに対して若年寄は、旗本や御家人を指揮し、幕府の内部の務めを取りしきりました。
若年寄は1649年(慶安2年)にいったん廃止され、仕事は老中にまとめられましたが、1662年(寛文2年)に再び置かれ、幕末まで続きました。
定員はおおむね3〜5人で、幕末には10人を超えたこともあります。
老中と同じく、月ごとに当番を交代する月番制で仕事をしました。


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