意味
「官尊民卑(かんそんみんぴ)」とは、政府や役人を尊いものとし、民間の人や事業を卑しいものと見るという意味です。
民間を、役所に従うものとして軽く扱う態度を言い、そうした考え方そのものも指します。
- 官(かん):政府や役所、役人。
- 卑(ひ):いやしいものとして低く見ること。
語源・由来
この言葉は、「官尊」と「民卑」を組み合わせた四字熟語です。
福沢諭吉は『福翁百話』の中で、人はみな等しく権利を持つという考えに反するものとして、官尊民卑を取り上げています。
使い方・例文
- 窓口で市民を見下すような態度は、官尊民卑の名残だと批判された。
- 祖父は、若いころの役所には官尊民卑の空気が残っていたと話す。
- 民間の意見を聞かずに決める姿勢に、官尊民卑の考えが透けて見える。
「官尊民卑」は日本だけの考えではない
政府や役人を尊いとする考え方は、日本に限って見られるものではありません。
君主があらゆる価値のみなもととされた絶対主義(= 君主が強い権力を一手に握る政治の形)の国々では、君主に近い者ほど尊いと考えられ、それが国の秩序を支えていました。
日本では官と民の差がとりわけ大きく、役人でなければ人ではないとする風潮さえありました。
明治の初めには、この考え方が、一部の役人が政治を思いのままに動かす有司専制となって現れました。


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