意味
「報恩謝徳(ほうおんしゃとく)」とは、人から受けた恩にお返しをし、その恵みに感謝するという意味です。
恩に報いる「報恩」と、徳に感謝する「謝徳」の二つを並べた四字熟語です。
- 報(ほう):受けたものにお返しをすること。
- 謝(しゃ):お礼を言うこと。
- 徳(とく):ここでは、人から受けた恵み。
使い方・例文
- 恩師の退職祝いの席で、報恩謝徳の気持ちを込めて花束を贈った。
- 祖父は、苦しい時代に支えてくれた人々への報恩謝徳を忘れず、毎年あいさつに出向いている。
- 卒業にあたり、育ててくれた両親に報恩謝徳の思いを手紙で伝えた。
『夜明け前』の和尚が説く信心
『夜明け前』(島崎藤村)の第二部に、明治維新のころ仏教を退ける声が強まる中で、馬籠の万福寺の松雲和尚が、神道を根本とする自分の立場を説く場面があります。
同じ宗派の僧たちから偏っていると責める手紙を受けた和尚の言い分の中に、次の一節が出てきます。
もとより神仏を敬する法は、みな報恩と謝徳とをもってする。これを信心と言う。自分の身に利得を求めようとするのは、皆欲情である。報恩謝徳の厚志があらば、神明の加護もあろう。
神仏を敬う心の中身は恩に報いることと徳に感謝することで、自分の得を求めるのは欲だ、という考えです。
関連語
- 恩に着る(おんにきる):
人から受けた恩をありがたく思うこと。人に頼みごとをするときに使うことが多い言い回しで、恩に報いる意味までは含まない。
親鸞の命日に営む「報恩講」
浄土真宗では、宗祖の親鸞の命日に、親鸞への報恩謝徳のため「報恩講」という法会(= 仏事)を営みます。
親鸞が亡くなった11月28日までの7昼夜にわたって行われてきたことから「お七夜」とも呼ばれ、今は太陽暦に直して1月9日から16日に営む派もあります。











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