故事成語 ことわざ

怨みに報ゆるに徳を以てす

(うらみにむくゆるにとくをもってす)

ひどい仕打ちをした相手にも、恩恵を施して報いること。

異形:怨みに報いるに徳を以てす

16文字の言葉 / 「う」から始まる言葉
怨みに報ゆるに徳を以てす ことば
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意味

「怨みに報ゆるに徳を以てす(うらみにむくゆるにとくをもってす)」とは、うらまずにはいられない相手にも、広い心で恩恵を施すという意味です。
ひどい仕打ちをされた側が、相手に恵みで応じる態度をいいます。
『老子』に見える言葉です。

  • 報ゆる(むくゆる):「報いる」の古い言い方。
  • 以てす(もってす):用いる、という意味。

語源・由来

この言葉は、『老子』(= 中国の思想書)の第六十三章にある、次の一句が出典です。

報怨以德
(怨みには徳で報いる。)

「怨みに報ゆるに徳を以てす」は、この一句を日本語の語順で読み下した形です。

使い方・例文

  • 裏切った友人を、彼は怨みに報ゆるに徳を以てすの教えどおりに助けた。
  • 祖母は怨みに報ゆるに徳を以てすの心で、悪口を言った隣人にも野菜を分けた。
  • 怨みに報ゆるに徳を以てすと言うが、いざ自分が傷つけられると実行は難しい。
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類義語・関連語

  • 恩を以て怨みに報ず(おんをもってうらみにほうず):
    うらみのある相手に、広い心で恩愛をもって報いること。

対義語

  • 恩を仇で返す(おんをあだでかえす):
    恩を受けた相手に、害を与えて報いること。

孔子は「怨みに報ゆるに徳を以てす」を良しとしなかった

『論語』の憲問けんもん篇に、「以德報怨」をめぐる問答があります。
ある人が、徳で怨みに報いるのはどうかと孔子にたずねた場面です。

或曰:「以德報怨,何如?」子曰:「何以報德?以直報怨,以德報德。」
(ある人が言った。「徳で怨みに報いるのはどうでしょう。」先生は言った。「それでは、徳には何で報いるのか。怨みにはまっすぐな心で報い、徳には徳で報いるのがよい。」)

孔子は、怨みには直ちょく(= 公正でまっすぐな心)で報い、徳は徳を受けた相手に返すものだと答えています。
同じ「徳で怨みに報いる」について、『老子』とは考え方が分かれています。

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