意味
「報本反始(ほうほんはんし)」とは、祖先から受けた恩に報いるという意味です。
自然の恵みにも祖先の恩にも報いるという考え方を示す言葉で、日本では幕末から第二次世界大戦のころまで、祖先を敬う信仰と国家神道を進めるために、政府がさかんに広めました。
- 報本(ほうほん):本(おおもと)に報いること。
- 反始(はんし):始まりに立ち返ること。
語源・由来
この言葉は、儒教の経典『礼記』(= 儀礼について書かれた書物)の「郊特牲」という篇にある、次の一節が由来です。
萬物本乎天,人本乎祖,此所以配上帝也。郊之祭也,大報本反始也。
(万物は天をもとにし、人は祖先をもとにする。だから祖先を上帝に並べて祭るのである。郊の祭りは、大いに本に報い、始めに立ち返るものである。)
「郊」は、天を祭る儀礼です。
「本に報い、始めに反る」と読み下す部分が、「報本反始」の形になりました。
使い方・例文
- お墓参りは、先祖への報本反始の心を形にした習わしだ。
- 祖父の三回忌の法要で、報本反始という言葉の意味を考えた。
- 家系図を作りながら、自分の根もとを知る報本反始の大切さを感じた。
礼記では、土地の神を祭る社の説明にも「報本反始」が出てくる
天を祭る「郊」のほかに、「郊特牲」には、土地の神を祭る場である「社」についての記述もあります。
そこにも「報本反始」が出てきます。
家主中霤而國主社,示本也。唯爲社事,單出里。唯爲社田,國人畢作。唯社,丘乘共粢盛。所以報本反始也。
(家では中霤(= 家の中央の神)を、国では社を祭りの主とするのは、おおもとを示すためである。社の祭りのためには、里の人がこぞって出てくる。社の田のためには、国じゅうの人が働く。社には、各地の人々が供え物の穀物を出す。これが、本に報い、始めに立ち返るということである。)


コメント