良いことと悪いことは交互にやってくるもので、どちらか一方がずっと続くわけではないという人生の真理。
このような浮き沈みの激しい人生の循環を表すのが、
「楽あれば苦あり、苦あれば楽あり」(らくあればくあり、くあればらくあり)です。
意味
「楽あれば苦あり、苦あれば楽あり」は、楽しいことの後には必ず苦しいことがあり、苦しい時期を乗り越えれば楽しい時期がやってくるという意味です。
語源・由来
竹田出雲が手がけた江戸時代の浄瑠璃『蘆屋道満大内鑑』(1734年初演)などの作品に、類似する表現が用いられています。
古くから存在していた「楽あれば苦あり」という言葉と、その逆の「苦あれば楽あり」を対句のように組み合わせ、人生の浮き沈みを表す言葉として定着しました。
使い方・例文
「楽あれば苦あり、苦あれば楽あり」は、調子が良い時の戒めや、困難な状況にある時の励ましとして使われます。
- 順調な時こそ楽あれば苦あり、苦あれば楽ありを忘れない。
- 楽あれば苦あり、苦あれば楽ありと信じて努力を続ける。
- 人生は楽あれば苦あり、苦あれば楽ありの繰り返しだ。
誤用・注意点
落ち込んでいる人に対して安易に使うと、「やがて良くなる」という励ましではなく、「今は苦しむべき時だ」という突き放した言葉に聞こえる場合があります。
また、成功している人への忠告として使うと、嫉妬や皮肉と受け取られる可能性があるため注意が必要です。
類義語・関連語
「楽あれば苦あり、苦あれば楽あり」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 人生山あり谷あり(じんせいやまありたにある):
人生には良い時期も悪い時期もある状態。 - 禍福は糾える縄の如し(かふくはあざなえるなわのごとし):
幸福と不幸が交互にやってくる様子。 - 沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり(しずむせあればうかぶせあり):
悪い時もあれば良い時もあるという状態。
英語表現
Life is full of ups and downs.
意味:人生には良いときも悪いときもある
- 例文:
Don’t be discouraged, life is full of ups and downs.
落胆しないで、楽あれば苦あり、苦あれば楽ありだよ。
Every cloud has a silver lining.
意味:どんなに悪い状況でも希望はある
- 例文:
Remember, every cloud has a silver lining.
楽あれば苦あり、苦あれば楽ありだということを忘れないで。
日本語と英語で異なる「不運」の捉え方
この言葉の根底には、日本に古くから根付く諸行無常の思想が影響しているという見方があります。
すべては変化し循環するという考え方で、楽も苦も等しく「いつかは変わる」ものとして捉えます。
一方、英語の「Every cloud has a silver lining」は、暗い雲の裏に銀色の光が宿るという比喩で、「悪い状況の中に光を見出す」という能動的な視点に重きを置いています。
日本の言葉が循環そのものを自然の摂理として俯瞰するのに対し、英語表現は不運を材料として意味を作り出そうとする点で、発想の出発点が異なります。








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