意味
「楽あれば苦あり、苦あれば楽あり(らくあればくありくあればらくあり)」は、楽しいことの後には必ず苦しいことがあり、苦しい時期を乗り越えれば楽しい時期がやってくるという意味です。
語源・由来
「楽あれば苦あり」と、「楽」と「苦」を入れ替えた「苦あれば楽あり」の二つの句を並べた形です。
林芙美子の『お父さん』には、主人公の少年が「おとうさんが、楽あれば苦あり、苦あれば楽ありとおっしゃったことが思いあたるようで」と、父親の言葉を思い出す一節があります。
使い方・例文
「楽あれば苦あり、苦あれば楽あり」は、調子が良い時の戒めや、困難な状況にある時の励ましとして使われます。
- 順調な時こそ楽あれば苦あり、苦あれば楽ありを忘れない。
- 楽あれば苦あり、苦あれば楽ありと信じて努力を続ける。
- 人生は楽あれば苦あり、苦あれば楽ありの繰り返しだ。
誤用・注意点
落ち込んでいる人に対して安易に使うと、「やがて良くなる」という励ましではなく、「今は苦しむべき時だ」という突き放した言葉に聞こえる場合があります。
また、成功している人への忠告として使うと、嫉妬や皮肉と受け取られる可能性があるため注意が必要です。
類義語・関連語
「楽あれば苦あり、苦あれば楽あり」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 人生山あり谷あり(じんせいやまありたにあり):
人生には良い時期も悪い時期もあるということ。 - 禍福は糾える縄の如し(かふくはあざなえるなわのごとし):
幸福と不幸が交互にやってくる様子。 - 沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり(しずむせあればうかぶせあり):
悪い時もあれば良い時もあるということ。
英語表現
Life is full of ups and downs
人生には良いときも悪いときもあることを表す言い回し。
Don’t be discouraged, life is full of ups and downs.
(落胆しないで、楽あれば苦あり、苦あれば楽ありだよ。)
Every cloud has a silver lining
どんなに悪い状況でも希望はあることを表す言い回し。
Remember, every cloud has a silver lining.
(楽あれば苦あり、苦あれば楽ありだということを忘れないで。)
「楽あれば苦あり、苦あれば楽あり」の前半はいろはかるたの札

前半の「楽あれば苦あり」は、それだけで独立したことわざとして広く知られていました。
江戸いろはかるたの「ら」の札が、この「楽あれば苦あり」です。
大正ころまでの絵札の多くは、山積みの千両箱か大きな金庫を背に、金持ちが盗まれないよう番をしている図でした。
金という楽を手に入れても、盗まれる心配という苦がある、という皮肉を描いています。
札になったのは、楽をしている人を戒める前半だけでした。
後半の「苦あれば楽あり」を続けて言うことも多く、その場合は、もう少し辛抱すれば必ずよいことがあると励ます言葉にもなります。















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