慣用句 四字熟語

才子多病

(さいしたびょう)

優れた才能を持つ人は、とかく体が弱く病気がちであること。


7文字の言葉 / 「さ・ざ」から始まる言葉
才子多病 ことば
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意味

「才子多病(さいしたびょう)」とは、非凡な才を持つ人ほど、なぜか体は弱く病がちなものだという意味です。
才知に恵まれるかわりに、体の丈夫さには恵まれにくいという見方を表します。
一人の人間に優れた資質と頑健な体の両方は備わりにくいという「天は二物を与えず」に通じるニュアンスを含みます。

  • 才子(さいし):才知に優れた人
  • 多病(たびょう):病気にかかることが多い様子

語源・由来

「才子多病」という四字は、中国の古典には見あたらず、日本で組み立てられた言い回しと考えられます。
対句の相方である「美人薄命」のほうは、北宋の蘇軾そしょくが詠んだ「薄命佳人」の、次の一句にさかのぼります。

自古佳人多命薄
(昔から美しい人は薄命であることが多い)

中国にも「多愁多病」のように、感じやすさと病弱さを結びつける言い方があります。

使い方・例文

「才子多病」は、相手の優れた資質を高く評価しつつ、その虚弱な体質を案じたり惜しんだりする場面で使われます。
単なる病弱さへの指摘ではなく、非凡な才能を持つ人物への敬意を含んだ表現です。

  • 才気あふれる作家が体調を崩しがちで、まさに才子多病である。
  • 成績優秀な彼が入院を繰り返し、才子多病を思わせる。
  • 多才な彼女がすぐ体調を崩し、才子多病だと感じる。

類義語・関連語

「才子多病」の類義語には、以下のような言葉が挙げられます。

  • 才子短命(さいしたんめい):
    才能のある人は、若くして命を落とすことが多いという状況。
  • 美人薄命(びじんはくめい):
    容姿の美しい女性は、病弱であったり不幸な境遇にあったりすることが多いという様子。
  • 蒲柳の質(ほりゅうのしつ):
    生まれつき体質が弱く、すぐに病気になってしまうこと。

「才子多病」と「才子短命」の違い

両者は「才能ある者の不幸」という共通点を持ちますが、その不運が向かう結果の深刻さに決定的な違いがあります。

言葉主眼状態
才子多病
(さいしたびょう)
病気になりやすい体質存命だが虚弱
才子短命
(さいしたんめい)
寿命の短さ若くして亡くなる

対義語

「才子多病」の対義語には、以下のような言葉が挙げられます。

  • 無芸大食(むげいたいしょく):
    これといった才能はないが、食欲だけは旺盛であること。
  • 無病息災(むびょうそくさい):
    病気をすることなく、健康で元気に過ごしている状態。

才子多病は本当か? 文豪たちの実像

「才子は多病である」という観念は、正岡子規や樋口一葉といった、病を抱えながら名作を残した人々の強烈な印象によって支えられています。
子規は結核で寝たきりになりながらも俳句の改革を成し遂げ、一葉もまた同じ病で24歳の若さでこの世を去りました。
こうした生涯が、「才能の代償としての病」というイメージを強めました。

しかし、この言葉が真実味を帯びている背景には、記憶の偏りという側面も存在します。
健康に恵まれ、病気ひとつせずに長生きした天才の記録は、わざわざ「健康だった」という理由で語り継がれることはほとんどありません。
一方で、病に苦しみながら創作に励む姿は人々の同情を誘い、物語として語り草になりやすい性質を持っています。

つまり、実際には健康な才人も数多く存在しますが、私たちの記憶の中で「病を抱えた天才」ばかりが目立ってしまうために、この言葉が法則のように感じられる状態が生まれます。

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