意味
多くは、優位に立つ相手に対して、いつか形勢が逆転するという警告や仕返しをほのめかす場面で使われ、皮肉や脅しの響きを伴います。
- 月夜(つきよ):月明かりで夜道が見える明るい夜。
- 晩(ばん):日が暮れてからの時間、夜。
語源・由来
「月夜の晩ばかりではない」は、江戸時代の暗い夜道の物騒さを背景に生まれた言葉です。
電灯のない当時、月の出ていない夜は文字通り一寸先も見えない暗闇となり、辻斬りや待ち伏せなど不意打ちの犯行が起こりやすい時間帯でした。
反対に月明かりの夜は姿が見えやすく手出しがしにくいため、今は明るい月夜で安全でも、いつか訪れる闇夜には気をつけろという意味を込めて、仕返しや脅しの文句として使われるようになったという説があります。時代劇のせりふとしても親しまれ、今日まで言い回しとして残っています。
使い方・例文
「月夜の晩ばかりではない」は、今は優位な相手に対して、いつか形勢が変わることをほのめかす場面で使われます。
- 今は勝ち誇っていても、月夜の晩ばかりではないぞ。
- 調子に乗るなよ、月夜の晩ばかりではないからな。
- 上司に逆らえないが、月夜の晩ばかりではないと思っている。
類義語・関連語
「月夜の晩ばかりではない」と同様に、今の状況がいつまでも続かないと戒める言葉には、以下のようなものがあります。
- 驕る平家は久しからず(おごるへいけはひさしからず):
勢いのある者もいつか衰えるという戒め。
英語表現
What goes around comes around
自分の行いはいつか自分に返ってくるという意味の表現。因果応報的な響きを持ち、相手への警告として使われる。
Enjoy your luck now, because what goes around comes around.
(今の運の良さを楽しんでおけ、いつか自分に返ってくるものだから。)
Every dog has its day
誰にでも良い時期が巡ってくるという意味の表現。転じて、今優位な者もいつか立場が入れ替わるという文脈でも使われる。
Don’t worry, every dog has its day.
(心配するな、いつかお前にも巡ってくる。)
闇夜が味方した、江戸の悪事
電気のない江戸時代、夜間の明るさは月の満ち欠けに大きく左右されました。満月に近い時期は提灯なしでも出歩けるほど明るくなる一方、新月に近い時期は町中でも視界が利かないほどの暗闇に包まれました。
江戸の町には辻斬りや盗賊を警戒するための辻番・木戸番・自身番といった仕組みが置かれていましたが、それでも真っ暗な夜道の犯罪をすべて防ぎきることはできませんでした。「月夜の晩ばかりではない」ということわざは、明るい夜に助けられてきた者に対し、闇夜に紛れて捕まる日が来ることを警告する言葉です。










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