意味
「法螺を吹く(ほらをふく)」とは、とても叶うはずのない、誇張だらけの嘘や自慢を口にすることです。
悪意よりも、話を面白くしようとする軽い調子で使われることも多く、深刻な嘘というより憎めない誇張というニュアンスを含みます。
- 法螺(ほら):法螺貝、または大げさな話。
- 吹く(ふく):息を強く吹きかけて音を出すこと。
語源・由来
「法螺を吹く」は、法螺貝という楽器の使われ方に由来する言葉です。
法螺貝は、古くから山伏が山に入る際、猛獣を遠ざけるための合図として吹き鳴らしていました。
また、戦の陣中でも、兵を集めたり進退の合図を送ったりする道具として用いられていました。
法螺貝の音は遠くまで大きく響き渡ります。
この法螺貝の「ほら」が、のちに大げさな話そのものも指すようになりました。
使い方・例文
「法螺を吹く」は、明らかに大げさで信じがたい話を得意げにする人をからかったり、批判したりする場面で使われます。
- 彼はいつも法螺を吹くが、実際にやり遂げたことは少ない。
- 酔うと法螺を吹く癖のある同僚に、みんな慣れっこだ。
- そんな法螺を吹いていると、そのうち誰も信じなくなるぞ。
類義語・関連語
「法螺を吹く」と同様に、大げさな話や嘘を表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 大風呂敷を広げる(おおぶろしきをひろげる):
実現性の乏しい大きな計画や話をすること。 - 大言壮語(たいげんそうご):
実力が伴わないのに、大きなことを言うこと。 - 真っ赤な嘘(まっかなうそ):
誰の目にも明らかな、大それた嘘のこと。
「法螺を吹く」と「大風呂敷を広げる」の違い
どちらも大げさな物言いを指す点は共通していますが、焦点となる部分に違いがあります。
「法螺を吹く」は話の内容そのものが事実と異なり誇張されている点に重きが置かれるのに対し、「大風呂敷を広げる」は将来の計画や目標の規模が実現不可能なほど大きい点に重きが置かれます。
英語表現
「法螺を吹く」を英語で表現する場合、以下のフレーズが適しています。
spin a yarn
直訳は「糸を紡ぐ」で、事実からかけ離れた話を面白おかしく語る様子を表す表現。
My grandfather used to spin a yarn about his adventures at sea.
(祖父はよく船乗り時代の冒険について法螺を吹いていた。)
「法螺を吹く」は経典では説法、江戸では大言
「法螺を吹く」という言い方は、仏典にも出てきます。
『法華経』の最初の章では、文殊菩薩が、仏がこれから大切な教えを説こうとしている様子を次のように語ります。
今仏世尊、欲説大法、雨大法雨、吹大法螺、撃大法鼓、演大法義。
(今、仏は大いなる教えを説こうとしておられる。教えの雨を降らせ、大いなる法螺を吹き、法の太鼓を打ち、教えの意味を述べようとしておられるのだ。)
ここでの「法螺を吹く」は、遠くまで響く法螺貝の音にたとえて、仏の説法を言ったものとされます。
一方、江戸時代後期の滑稽本『浮世床』(式亭三馬作)には、髪結い床での会話の中に、ある男のことを「祐筆になりたいの物書に成りたいのと、ほらばかりふいてゐるだ」とけなすせりふがあります。
(文書を書く役人になりたいだの、物書きになりたいだのと、大きなことばかり言っている。)
こちらは今と同じ、口先だけの大言を言う「法螺を吹く」です。











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