意味
「御都合主義」とは、確固たる信条を持たず、その場その場の都合に合わせて主張や態度をころころ変えることです。
人の生き方だけでなく、物語の展開が作者の都合だけで進む安易な作りを批判する際にも使われる言葉です。
- 都合(つごう):物事の成り行きや事情。
- 主義(しゅぎ):一貫した考え方や立場。
語源・由来
「御都合主義」が定着した正確な時期や出典は、はっきりとはわかっていません。
「都合」に丁寧語の「御」を添えた「御都合」に、明治以降広く使われるようになった「主義」という言葉が組み合わさってできた、比較的新しい言葉と考えられています。
似た構造を持つ「日和見主義」などとともに、一貫した信念を持たない態度を皮肉る言葉として、近代以降の日本語に定着しました。
使い方・例文
「御都合主義」は、政治や人間関係における一貫性のなさや、物語の安易な展開を批判する場面で使われます。
例文
- 選挙前だけ耳障りのいい公約を掲げるのは御都合主義だ。
- 物語の結末が御都合主義すぎると批判された。
- 御都合主義な言い訳ばかりで、誰も信用しなくなった。
- 立場によって意見を変える御都合主義は見透かされる。
類義語・関連語
「御都合主義」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 日和見主義(ひよりみしゅぎ):
形勢をうかがい、有利な方に味方する態度。 - 二枚舌(にまいじた):
都合によって言うことを変えること。
対義語
「御都合主義」とは対照的な意味を持つ言葉は、以下の通りです。
- 首尾一貫(しゅびいっかん):
始めから終わりまで、態度や考えが変わらないこと。
英語表現
opportunism
日和見主義、御都合主義
信念よりも、その場の状況に応じて有利な選択をする態度を表す一般的な表現。
Critics accused the politician of opportunism.
(批評家たちはその政治家を御都合主義だと非難した。)
have it both ways
両方のいいとこ取りをする
都合のよい二つの立場を同時に主張しようとする態度を表す慣用句。
You can’t have it both ways.
(御都合主義な主張は通用しない。)
明治32年、内田魯庵が政治と宗教を評した言葉
「御都合主義」という言葉が文献上確認できる早い例は、明治32年(1899年)に評論家の内田魯庵が発表した『嚼氷冷語』にある。
そこには「政治界も宗教界も其日其日の御都合主義となつてゐる」という一節がある。
この用例からも分かるように、「御都合主義」はもともと政治や宗教の世界で、一貫した立場を持たず、その場その場の都合に合わせて主張を変える態度を批判する言葉として使われ始めた。
のちに、小説や映画などの物語展開が、それまでの設定や伏線を無視して都合よく進む技法を批判する言葉としても使われるようになり、人の生き方から創作の手法まで意味の範囲を広げながら現在に至っている。










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