仕事を終えた家族が食卓を囲み、笑い声の絶えないひとときを過ごすのが、「一家団欒」(いっかだんらん)です。
意味
「一家団欒」とは、家族が集まって、なごやかに楽しく過ごすことという意味です。
特別な出来事がなくても、顔を合わせて言葉を交わすだけで心が満たされる、穏やかで肯定的な響きを持つ言葉です。
- 一家(いっか):一つの家族、家中。
- 団欒(だんらん):人が輪になって和やかに語らうこと。
語源・由来
「一家団欒」は、特定の書物の一節に由来する言葉ではなく、丸い形や人が輪になって集まる様子を指した中国伝来の言葉「団欒」に、家族を意味する「一家」が加わって定着した表現です。
成立した時期ははっきりしていませんが、家庭のだんらんを理想とする考え方が広まった近代以降、日常語として一般に使われるようになったとされています。
使い方・例文
「一家団欒」は、家族が集まって食事をしたり語らったりする、穏やかで温かい場面を表す際に使われます。
- 今夜は久しぶりに家族全員がそろい、一家団欒で鍋を囲んだ。
- 長い単身赴任が明け、久々に一家団欒の夜を過ごせた。
- 盆と正月くらいは、家族そろっての一家団欒を大切にしたい。
類義語・関連語
「一家団欒」と同じく、和やかな雰囲気を表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 和気藹々(わきあいあい):
集団全体が打ち解けて、なごやかな雰囲気に包まれている様子。 - 親子団欒(おやこだんらん):
親子だけで、くつろいで過ごすひととき。
どちらも和やかな空気を表しますが、対象となる場が異なります。家族という間柄に限定して使うなら「一家団欒」を、家族に限らず職場や仲間内など幅広い集団に使えるのが「和気藹々」です。
「一家団欒」と「和気藹々」の違い
| 語句 | 対象となる場 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 一家団欒 (いっかだんらん) | 家族限定。 | 家庭の温かさ。 |
| 和気藹々 (わきあいあい) | 職場・仲間なども可。 | 集団の親しみやすさ。 |
対義語
「一家団欒」の対義語には、家族や親族の仲が悪いことを表す「六親不和」が挙げられます。
- 六親不和(ろくしんふわ):
父・母・兄・弟・妻・子など、最も身近な六種の親族の仲が悪いこと。
英語表現
family time
意味:家族と過ごす時間全般を指す、日常会話でよく使われる表現。
- 例文:
We always make time for family time on Sundays.
私たちはいつも日曜日に家族の時間を作っている。
gather around the table
意味:食卓を囲んで一家だんらんするという情景そのものを表す表現。
- 例文:
The whole family gathered around the table for dinner.
家族全員が夕食のために食卓を囲んだ。
「団欒」の「欒」という漢字の正体
「団欒」の「欒」という字は常用漢字表には含まれておらず、日常生活でこの漢字を単独で使う場面はほとんどありません。
「欒」はもともと、四方に丸く枝を伸ばす木や、車の轅(ながえ)の先に取り付けた鈴を指す字で、丸みや円満さを連想させる意味を持っていました。
現代の日本語で「欒」が使われる熟語は「団欒」以外にほとんど見当たらず、この言葉のためだけに生き残っているといえる珍しい漢字です。









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