祭りの帰り道、三人連れや五人連れがあちらこちらにぽつぽつと現れては散っていく、そんな少人数のまとまりが点在する様子を表すのが、「三々五々」(さんさんごご)です。
意味
「三々五々」とは、三人、五人といった少人数のまとまりで行動するさまという意味です。
人や物がまばらに散らばっている様子も表し、統率のとれた集団行動とは対照的な、のどかで自然な雰囲気を伴います。
- 三々(さんさん):三人ずつのまとまり。
- 五々(ごご):五人ずつのまとまり。
語源・由来
「三々五々」は、唐の詩人・李白(りはく)の詩『採蓮曲(さいれんきょく)』の一節に由来するといわれています。
詩の中には「岸上誰家遊冶郎、三三五五映垂楊(岸辺で誰の家の若者たちか、三人、五人と連れ立って、垂れた柳の木陰に見え隠れしている)」という一節があり、蓮を摘む娘たちの姿に見とれる若者たちの様子が描かれています。
柳の木の片側に三人、もう片側に五人というように、人が少人数ずつ散らばっている情景を詠んだこの表現が、日本でも「三々五々」という言葉として使われるようになりました。
使い方・例文
「三々五々」は、人や物が少人数・少数ずつまとまって行動したり、散らばったりする場面で使われます。
- 花火大会が終わると、観客は三々五々帰路についた。
- 会議室には三々五々社員が集まり始めた。
- 公園には三々五々、家族連れの姿が見られた。
類義語・関連語
「三々五々」と同様に、少人数がまとまって行動する様子を表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 思い思い:
それぞれが自分の好きなように行動する様子。 - ぽつぽつ:
物や人がまばらに、少しずつ現れる様子。
英語表現
in twos and threes
意味:人が二人、三人といった少人数のまとまりで行動する様子を表す表現
- 例文:
Visitors arrived in twos and threes throughout the afternoon.
来場者は午後の間、三々五々と訪れた。
隣り合う言語で異なる数字の組み合わせ
同じ漢字文化圏でも、少人数の集まりを表す数字の組み合わせ方には違いがあります。
現代の中国語には「三三両両(サンサンリャンリャン)」という表現があり、日本語の「三々五々」とほぼ同じ場面で使われますが、後半の数字には「五」ではなく「両(二)」が用いられます。
日本語の「三々五々」が李白の詩に登場する「三」と「五」の組み合わせをそのまま受け継いだのに対し、現代中国語では「三」と「二」という、より小さな数の組み合わせが定着しています。
同じ「少人数のまとまり」という情景を表すのに、隣り合う言語の間でも数字の選び方に違いが生まれている点は興味深いところです。









コメント