意味
「老驥千里」とは、歳を重ねてもなお、大きな志を胸に抱き続けていることを意味します。
老いてもなお気力や向上心が衰えない人物をたたえる言葉として使われます。
- 老驥(ろうき):年老いたすぐれた馬。
- 千里(せんり):非常に遠い距離のたとえ。
語源・由来
「老驥千里」は、中国後漢末の武将であり詩人でもあった曹操が詠んだ詩「亀雖寿(きすいじゅ)」の一節に由来するとされています。
この詩には「老驥伏櫪、志在千里(老驥は櫪に伏すも、志は千里に在り)」という句があり、年老いて厩につながれた名馬でも、なお千里を走ろうとする志を持ち続けている情景が描かれています。
曹操はこの句に続けて「烈士暮年、壮心不已(志ある人は年老いても、その心意気を失わない)」と詠んでおり、老いてなお高い志を持ち続ける生き方の理想を表した言葉として、後世に広く伝えられてきました。
使い方・例文
「老驥千里」は、高齢になっても意欲や向上心を失わない人をたたえる場面で使われます。
- 80歳を超えてなお現役の彼は、まさに老驥千里を体現している。
- 定年後も新事業に挑む姿は、老驥千里の志そのものだ。
- 老驥千里の心意気で、祖父は今も畑仕事に汗を流す。
類義語・関連語
- 壮心不已(そうしんふい):
年老いても志や気力が衰えないこと。 - 矍鑠(かくしゃく):
年をとっても元気で丈夫な様子。
英語表現
There’s life in the old dog yet
直訳は「老いた犬にもまだ生気が残っている」。年老いても、まだ十分な気力や能力が残っていることを表す表現。
My grandfather just ran his first marathon at seventy — there’s life in the old dog yet.
(祖父は70歳で初めてマラソンを完走した。老いてもまだやれることがあるものだ。)
Age is just a number
直訳は「年齢はただの数字」。年齢を理由に何かをあきらめる必要はないという考えを表す表現。
She started painting at sixty and now sells her work — age is just a number.
(彼女は60歳で絵を始め、今では作品を売るまでになった。年齢はただの数字にすぎない。)
曹操が老境で詠んだ志
曹操がこの詩を詠んだのは、208年ごろ、烏丸遠征を終えた50代半ばのことだったと伝えられています。
三国時代を代表する武将でありながら、当時としては決して若くはない年齢で、なお天下統一という遠大な志を抱き続けていました。
「老驥伏櫪、志在千里」という句には、肉体の衰えを自覚しながらも、心の志だけは老いに屈しないという、曹操自身の実感がにじんでいるといえるでしょう。
この一節は千八百年以上前に詠まれたものですが、年齢を理由に夢をあきらめない生き方への共感は、時代や国を超えて多くの人々に支持されています。










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