意味
卑躬屈膝とは、自分を卑下し、体を低くかがめてまで相手にこびへつらうことという意味です。
誇りを失った、行き過ぎたへりくだりを否定的に表す言葉です。
- 卑躬(ひきゅう):身をかがめて低くすること。
- 屈膝(くっしつ):ひざを折り曲げてひれ伏すこと。
語源・由来
中国の古典に見られる成語で、南宋の学者・魏了翁(ぎりょうおう)による文章「江陵州叢蘭精舎記」に由来すると伝えられています。
東晋の権臣・桓温(かんおん)の権勢を前に、公卿や大臣たちがこぞって体を低くかがめてひれ伏したという記述があり、権力者に媚びへつらう人々の様子を批判的に描いた言葉として後世に伝わりました。
使い方・例文
卑躬屈膝は、権力や立場のある相手に対して、誇りを失うほど過剰にへりくだる態度を批判する場面で使われます。
- 上司の顔色ばかりうかがう卑躬屈膝な態度にあきれる。
- 彼はどんな相手にも卑躬屈膝することなく、堂々と意見を述べた。
- 権力者への卑躬屈膝は、周囲の信頼を失う原因にもなる。
類義語・関連語
卑躬屈膝と同様に、過剰にへりくだる様子を表す言葉には、以下のようなものがあります。
対義語
卑躬屈膝とは反対に、尊大な態度を表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 傲岸不遜(ごうがんふそん):
おごり高ぶり、人を見下すような態度。
英語表現
卑躬屈膝と近いニュアンスを持つ英語表現には、以下のようなものがあります。
Bow and scrape
直訳は「お辞儀をして、床をこするように足を引く」。相手の機嫌を取ろうと過剰にへりくだる、卑屈な態度を表す表現。
The clerk would bow and scrape whenever the manager walked in.
(その店員は、店長が入ってくるたびにこびへつらうような態度を取った。)
英語のkowtowは「叩頭」から
「屈膝」という言葉が示すように、ひざを折って体を低くする動作は、古くから服従や恭順の意思を示す身体表現として使われてきました。
英語の「kowtow(こびへつらう)」も、もとは中国語の「叩頭」(額を地面に打ちつけて礼をすること)に由来する言葉です。
体を低くすることで相手への敬意や服従を示すという発想は、中国語だけでなく英語の語彙にも取り込まれるほど、広く共有された身体感覚だといえるでしょう。










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