意味
「卑躬屈膝(ひきゅうくっしつ)」とは、自分を卑しめてまで、体をかがめて相手のご機嫌を取ることです。
行き過ぎたへつらいを、あきれた気持ちを込めて表す言葉です。
- 卑躬(ひきゅう):身をかがめて低くすること。
- 屈膝(くっしつ):ひざを折り曲げてひれ伏すこと。
語源・由来
南宋の学者・魏了翁の文章「江陵州叢蘭精舎記」に出てくる言葉です。
東晋の権臣・桓温の権勢を前に、公卿や大臣たちがこぞって体を低くかがめてひれ伏したという記述があり、権力者に媚びへつらう人々の様子を批判的に描いた言葉として後世に伝わりました。
使い方・例文
卑躬屈膝は、権力や立場のある相手に対して、誇りを失うほど過剰にへりくだる態度を批判する場面で使われます。
- 上司の顔色ばかりうかがう卑躬屈膝な態度にあきれる。
- 彼はどんな相手にも卑躬屈膝することなく、堂々と意見を述べた。
- 権力者への卑躬屈膝は、周囲の信頼を失う原因にもなる。
類義語・関連語
卑躬屈膝と同様に、過剰にへりくだる様子を表す言葉には、以下のようなものがあります。
対義語
卑躬屈膝とは反対に、尊大な態度を表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 傲岸不遜(ごうがんふそん):
おごり高ぶり、人を見下すような態度。
英語表現
卑躬屈膝と近いニュアンスを持つ英語表現には、以下のようなものがあります。
Bow and scrape
直訳は「お辞儀をして、床をこするように足を引く」。
相手の機嫌を取ろうと過剰にへりくだる、卑屈な態度を表す表現。
The clerk would bow and scrape whenever the manager walked in.
(その店員は、店長が入ってくるたびにこびへつらうような態度を取った。)
東晋の権臣桓温、帝位を狙うも果たせず没す
「卑躬屈膝」でひれ伏す対象として描かれた桓温は、東晋の軍事と政治を掌握した権臣です。
312年に生まれ、成漢を滅ぼし、北伐を重ねるなど軍功を積んで大司馬にまで上りました。
晩年には帝位を狙うまでになりましたが、最後の北伐が失敗して信望を落とし、朝廷に求めた九錫(皇帝が大功のある臣に授ける特別な恩典)も得られないまま373年に亡くなりました。
帝位の簒奪を果たしたのは息子の桓玄で、父の桓温には楚の宣武帝という称号が追って贈られました。










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