意味
「目の保養(めのほよう)」とは、きれいな景色や物珍しいものを目にして、心がなごみ晴れやかな気分になるという意味です。
実際に体を休めるわけではなく、視覚を通して気持ちが満たされることを、比喩的に「養う」と表現しています。
- 保養(ほよう):心身を休め、健康を養うこと。
語源・由来
「保養」はもともと、心身を休めていたわり、健康を養うことを意味する言葉でした。
これに「目」を組み合わせることで、実際に体を休ませるのではなく、視覚を通して心を癒し、楽しませることを表す言葉として使われるようになったとされています。
美しいものを見ると気分が良くなったり、疲れが和らいだように感じたりする体験を、体を休める「保養」になぞらえた表現だと考えられています。
使い方・例文
「目の保養」は、美しい景色や華やかなものを見て楽しんだ場面で使われます。
- 満開の桜並木は、まさに目の保養だった。
- 美しい庭園を眺めて、目の保養をする。
- 華やかな衣装の数々に目の保養をさせてもらった。
類義語・関連語
「目の保養」と同じ意味を持つ言葉に、以下のようなものがあります。
- 眼福(がんぷく):
美しいものを見る幸運という意味で、「目の保養」とほぼ同義。
英語表現
A feast for the eyes
直訳は「目にとってのごちそう」。
美しい景色や華やかなものを見て、心が満たされることを表す表現。
The garden in full bloom was a feast for the eyes.
(満開の庭園はまさに目の保養だった。)
明治の落語では吉原見物の口実だった「目の保養」
「目の保養」という言葉が使われた古い例として、明治時代の落語『殿様の廓通ひ』の中に「目の保養がてら新吉原遊廓の傾城を求めは致しませんが見物に参りました」という一節が残っています。
ここでの「目の保養」は、遊女を買うつもりはなく、あくまで美しいものを眺めに行くだけだという、体のよい言い訳として使われています。
何かを得るためではなく、ただ見て楽しむこと自体に価値を置く発想が、この言葉には込められていたことがわかります。
今日では、美しい景色や芸術、あるいは魅力的な人を眺めて心が和むひとときを指す、日常的な言葉として使われています。










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