故事成語

襟を正す

(えりをただす)

乱れた姿勢や気持ちを整え、真剣な態度で物事に向き合うこと。


6文字の言葉」から始まる言葉
襟を正す ことば
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意味

襟を正すとは、だらけていた心持ちを引き締め直し、真剣な気持ちであらためて物事に向き合う様子を表します。
衣服の乱れを直す動作にとどまらず、心構えを改めるという比喩的な意味で使われます。

  • (えり):衣服の首まわりの部分。
  • 正す(ただす):乱れたものを整えること。

語源・由来

中国・北宋の詩人蘇軾そしょくが記した『前赤壁賦』には、「正襟危坐(襟を正し、姿勢を正して座る)」という表現が登場します。
川辺で語り合った客の言葉に心を動かされた蘇軾が、居住まいを整えて座り直す場面で使われた言葉です。
この中国古典に見られる「正襟」という語法が日本語に取り入れられ、「襟を正す」という言い回しとして定着していったという説があります。

使い方・例文

襟を正すは、気持ちを引き締めて真剣に物事に取り組む場面で使われます。

  • 大きな失敗を機に、襟を正して業務に取り組んだ。
  • 上司の言葉に、社員一同襟を正す思いだった。
  • 新年を迎え、襟を正して目標を立て直す。

類義語・関連語

襟を正すと同様に、態度や姿勢を改める様子を表す言葉には、以下のようなものがあります。

  • 膝を正す(ひざをただす):
    姿勢を改め、真剣な態度で臨むこと。
  • 色を正す(いろをただす):
    表情を引き締め、真面目な態度をとること。

遠く中国の川辺から日本語へ渡った仕草

「襟を正す」の由来とされる『前赤壁賦』は、政争に敗れて左遷された蘇軾が、川に舟を浮かべて友と語り合った際の心境をつづった詩文です。
客の嘆きに触れて蘇軾が座り直した「正襟危坐」の一瞬が、時代と国境を越えて日本語の日常表現に姿を変えて残っている点は興味深いといえます。
衣服の乱れを直す小さな仕草が、心を整えるという普遍的な意味へと広がっていった過程には、東アジアに共通する礼の感覚がうかがえます。

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