一度の失敗を取り繕おうとして、かえって墓穴を掘ってしまう。
そんな悪循環を塗装の重ね塗りにたとえるのが、「恥の上塗り」(はじのうわぬり)です。
意味
「恥の上塗り」とは、一度恥をかいた上に、さらに愚かな言動を重ねて、より大きな恥をさらしてしまうことという意味です。
取り繕おうとした結果かえって状況を悪化させる、皮肉な失敗の連鎖を指して使われます。
- 恥(はじ):面目を失うこと。
- 上塗り(うわぬり):仕上げに重ねて塗ること。
語源・由来
「恥の上塗り」は、塗装や左官の工程を由来とする言葉です。
壁や器に塗料を塗る際、下塗りの上からさらに仕上げの層を重ねる工程を「上塗り」と呼びます。
この、同じ場所に塗料を重ねていく様子が、一つの恥の上にさらに恥を重ねてしまう様子と重なり、失敗を取り繕おうとして裏目に出る状況を表す言葉として使われるようになりました。
使い方・例文
「恥の上塗り」は、失敗を挽回しようとしてさらに失敗を重ねた場面で使われます。
- 言い訳を重ねるうちに墓穴を掘り、恥の上塗りになった。
- 遅刻の言い訳が嘘だとばれ、恥の上塗りをしてしまう。
- これ以上取り繕うと恥の上塗りになりかねない。
類義語・関連語
「恥の上塗り」と同じように、悪い状況が重なる様子を表す言葉には、以下のようなものがあります。
英語表現
dig yourself into a deeper hole
直訳「自分でさらに深い穴を掘る」で、取り繕おうとしてかえって状況を悪化させる様子を表す表現。
He tried to explain, but only dug himself into a deeper hole.
(彼は言い訳をしたが、恥の上塗りになっただけだった。)
とっさの取り繕いが裏目に出る心の仕組み
自分を良く見せようと失敗をとっさに取り繕う心の働きを、心理学では「印象操作」と呼びます。
人は恥をかいた直後ほど周囲からの評価を強く意識し、反射的に言い訳や誤魔化しを重ねてしまいがちです。
ところが、動揺した状態でとっさに選ぶ行動は冷静さを欠きやすく、かえって話の矛盾やほころびが目立つ結果を招きます。
「恥の上塗り」は、こうした人間の反射的な自己防衛行動が裏目に出る典型的なパターンを言い当てた言葉だといえます。









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