意味
行方のわからない人や物を、あきらめずに徹底的に捜し出そうとする強い覚悟を表す際に使われます。
「草の根を分けても探し出す」という形で、後に続く動詞とセットで用いられることの多い言葉です。
- 草の根(くさのね):地中に張り巡らされた草の根
- 分けても(わけても):かき分けてまでも
語源・由来
「草の根分けても」は、地中深くに隠れた草の根を探すという、徹底した捜索の様子に由来する言葉です。
草原に広がる草の根は、地表からは見えず、土の中に無数に張り巡らされています。それを一本一本かき分けてまで何かを探そうとする行為は、途方もない労力を伴う、極めて徹底した捜索です。
この、目に見えない場所まで手を尽くして探し尽くす様子が、行方の知れない人や物をどこまでも追い求める強い意志にたとえられ、「草の根分けても探し出す」という決意の言葉として使われるようになりました。
使い方・例文
「草の根分けても」は、何としてでも探し出すという強い決意を示す場面で使われます。
- 逃げた犯人は、草の根分けても捜し出す。
- 行方不明の愛犬を、草の根分けても見つけ出したい。
- 紛失した書類を、草の根分けても探し当てるつもりだ。
類義語・関連語
「草の根分けても」と同じように、徹底して探し出す様子を表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 血眼になる(ちまなこになる):
興奮や必死さのあまり、目の色を変えて物事に取り組むこと。 - 八方手を尽くす(はっぽうてをつくす):
あらゆる方法や手段を、残らず試みること。
英語表現
leave no stone unturned
すべての石をひっくり返してでも、あらゆる手を尽くして探すことを表す表現。
The police vowed to leave no stone unturned in the search.
(警察は草の根分けても捜し出すと誓った。)
「石」と「草の根」、探索のたとえに選ばれたもの
徹底した捜索を表す言い回しには、英語の「leave no stone unturned(すべての石をひっくり返す)」のように、地面にあるものを手がかりにした表現が世界各地に見られます。
日本語が「石」ではなく「草の根」を選んでいる点は興味深いところです。石は表面をひっくり返せば裏側を確認できる有限な作業ですが、草の根は地中に細かく分岐しながら際限なく広がっており、すべてを分け尽くすことははるかに困難な作業です。捜索の対象として草の根が選ばれたのは、こうしたより果てしない徹底ぶりを連想させる性質があったからかもしれません。
身近な自然物のどの部分に注目するかによって、同じ「徹底した捜索」を表す言葉にも、文化ごとの違いが表れます。









コメント