意味
「無い物ねだり(ないものねだり)」とは、自分では持ち合わせていないものを、あれこれ欲しがってせがんでしまうことです。
手に入らないもの、実現できないことを無理に望む場合に使います。
- 無い物(ないもの):手元に存在しないもの。
- ねだり:欲しいと駄々をこねること。
語源・由来
「無い物ねだり」は、「無い物」と、欲しいとせがむ意味の「ねだる」を組み合わせた言葉です。
使い方・例文
「無い物ねだり」は、実現が難しい望みを口にする相手をたしなめたり、自分の願いを自嘲したりする場面で使われます。
- 田舎暮らしに都会の便利さを求めるのは無い物ねだりというものだ。
- 過去に戻りたいなんて、しょせん無い物ねだりだと分かっている。
- そんな夢のような給料を望むのは無い物ねだりだよ。
類義語・関連語
「無い物ねだり」に近い言葉には、以下のようなものがあります。
- 高望み(たかのぞみ):
自分の身分や実力以上のものを望むこと。 - 隣の芝生は青い(となりのしばふはあおい):
他人の持つものが自分のものより優れて見えること。
対義語
「無い物ねだり」とは反対に、今あるもので満足する姿勢を表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 足るを知る(たるをしる):
今あるもので満足し、それ以上を望まないこと。
英語表現
cry for the moon
自分の手が届かない、非現実的なものを欲しがる様子を表す表現。
Wanting a mansion on this salary is like crying for the moon.
(この給料で豪邸を望むのは、無い物ねだりのようなものだ。)
江戸の「ねだる」には「ゆする」の意味も
「無い物ねだり」の「ねだる」は、漢字で「強請る」と書きます。
同じ「強請」は「ゆすり」とも読み、「ねだる」自体も江戸時代には、言いがかりをつけて金品を求める「ゆする」の意味で使われていました。
江戸前期の作家井原西鶴の『西鶴織留』(1694年)にも、この意味の「ねだる」が出てきます。
今は甘えて欲しがるほうの意味が中心になり、「無い物ねだり」もこちらの意味で使います。











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