お金にゆとりがある時は白い米の飯で贅沢をするが、なくなれば途端に惨めな食事に変わる。
そんな、先のことを考えない浪費癖を表すことわざが、「有る時は米の飯」(あるときはこめのめし)です。
意味
「有る時は米の飯」とは、余裕がある時には贅沢をし、なくなると惨めな暮らしになるということという意味です。
計画性のない金遣いの荒さを、やや皮肉を込めてたしなめる言葉です。
- 有る時(あるとき):お金や食べ物に余裕がある時
- 米の飯(こめのめし):贅沢な食事の象徴
語源・由来
「有る時は米の飯」は、米が満足に食べられなかった時代の暮らしぶりから生まれたことわざです。
かつて米が十分に取れない地方や貧しい家庭では、粟や稗(ひえ)といった雑穀が日常の主食で、白い米の飯は特別な時にしか口にできないごちそうでした。
懐に余裕ができた時だけ贅沢な米の飯を腹いっぱい食べ、なくなればまた粗末な食事に戻るという生活の浮き沈みが、このことわざの背景にあります。
使い方・例文
「有る時は米の飯」は、収入があるとすぐに使い切ってしまう金遣いの荒さを表す際に使われます。
- ボーナスが出るたびに散財するとは、まさに有る時は米の飯だ。
- 彼の家計は有る時は米の飯で、貯金がまったく増えない。
- 稼いだ分だけ使ってしまう、有る時は米の飯の生活を改めたい。
類義語・関連語
「有る時は米の飯」と同じように、計画性のない金遣いを表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 宵越しの銭は持たない(よいごしのぜにはもたない):
その日に稼いだお金は、その日のうちに使い切ること。
「有る時は米の飯」と「宵越しの銭は持たない」の違い
どちらも先を考えないお金の使い方を表しますが、ニュアンスに違いがあります。
| 語句 | ニュアンス |
|---|---|
| 有る時は米の飯 (あるときはこめのめし) | 浪費の結果、後で苦しむことを暗に戒める言葉 |
| 宵越しの銭は持たない (よいごしのぜにはもたない) | 江戸っ子気質として、潔さを誇る意味合いも持つ言葉 |
英語表現
feast or famine
収入や物事の状態が、豊かな時と乏しい時で激しく揺れ動く様子を表す表現。
His income is feast or famine, depending on the season.
(彼の収入は季節によって有る時は米の飯という具合だ。)
米の飯が「ごちそう」だった時代の食文化
江戸時代の農村では、収穫した米の多くを年貢として納める必要があり、農民自身は普段、粟や稗、大根飯などを食べて暮らす地域が少なくなかった。
白い米だけの飯を毎日食べられたのは都市部の裕福な武士や町人にほぼ限られており、農村では祭りや正月など特別な日にしか米の飯が並ばないことも珍しくなかった。
こうした食生活の格差の中で、米の飯は単なる主食ではなく、豊かさそのものを象徴する存在として扱われていた。
「有る時は米の飯」という言い回しで、贅沢の対象として真っ先に米が選ばれているのは、この食文化の背景による。









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