四字熟語 故事成語

抜本塞源

(ばっぽんそくげん)

災いのもとを根こそぎ取り除き、二度と起こらないようにすること。


8文字の言葉は・ば・ぱ」から始まる言葉
抜本塞源 ことば
スポンサーリンク

意味

「抜本塞源」とは、災いのもとを根こそぎ取り除いて、二度と同じことが起きないようにすることを表す四字熟語です。
木を根から抜き、水の湧き口をふさぐという二つの動作を重ねた言葉で、表面をつくろう対応との対比で使われます。
やり方の徹底ぶりを評価する場面と、そこまでやるのかと批判する場面の両方で使われます。

  • 抜本(ばっぽん):木を根から引き抜くこと。
  • 塞源(そくげん):水の湧き出るもとをふさぐこと。

語源・由来

「抜本塞源」は、中国の歴史書『春秋左氏伝』の昭公九年の記事に出てくる言葉です。

周の王が、諸侯である晋に向けて自分の立場を訴えた場面でこの言葉が使われました。
王は、自分にとって晋は衣服でいえば冠であり、木や水でいえば根や水源であり、民でいえば頼りにする相談役だ、と述べます。
そのうえで、もし晋が冠を引き裂き、根を抜き、水源をふさぎ、相談役を捨ててしまったら、周王室はどうなるのか、と問いかけました。

伯父もし冠を裂き冕を毀ち、本を抜き原を塞ぎ、専ら謀主を棄てなば

もとの文脈では、根や水源を断つのは自分たちを支える柱を失う行いとして、否定的に語られていました。
それが後に、断ち切る対象を災いのほうに置きかえて、根本から絶つという意味で使われるようになりました。

原文の字は「源」ではなく「原」

『春秋左氏伝』の本文では「拔本塞原」と、さんずいのない「原」が使われています。
「原」はもともと泉が湧き出るところを指す字で、その意味をはっきりさせるためにさんずいを加えたのが「源」です。
日本ではさんずいのある「抜本塞源」の形で使われています。

使い方・例文

「抜本塞源」は、その場しのぎではなく原因そのものを断つ対策について語る場面で使われます。

  • 再発防止には抜本塞源の対策が要ると社長は言い切った。
  • 手当てを重ねるだけでは足りず、抜本塞源に踏み込むしかない。
  • 「そこまでやるのか」と言われるほどの抜本塞源ぶりだった。

類義語・関連語

「抜本塞源」と同じく、原因そのものへの働きかけを表す言葉には以下のようなものがあります。

  • 禍根を断つ(かこんをたつ):
    後々の災いのたねを、今のうちに取り除くこと。
  • 草の根を分けて探す(くさのねをわけてさがす):
    すみずみまで徹底して探し回ること。

対義語

  • 付け焼き刃(つけやきば):
    その場をしのぐだけの、身についていない備え。
  • 弥縫策(びほうさく):
    破れ目を繕うだけの、その場かぎりの手当て。

英語表現

root out

根ごと引き抜くという動作から、問題や不正を根本から取り除くことを表す表現。

They vowed to root out the cause of the accident.
(彼らは事故の原因を抜本塞源すると誓いました。)

「本」と「原」を並べた理由

この語は、木のたとえと水のたとえを一つに畳んでいます。
『春秋左氏伝』の同じ文には「木水之有本原」、つまり木にも水にももとがある、という言い方が先に置かれていました。
「本」は木の根、「原」は水の湧き口を指し、二つ合わせて「ものごとの出どころ」を意味します。
「抜本塞源」は、その一文をそのまま四字に縮めた形です。

スポンサーリンク

コメント