意味
「出処進退」は、世に出ることと退いていることを表す「出処」に、進むことと退くことを表す「進退」を重ねた四字熟語です。
いまは主に、その職にとどまるか辞めるかという身の振り方を指して使われます。
「出処進退を明らかにする」という形でよく使われます。
- 出処(しゅっしょ):世に出ることと退いていること。
- 進退(しんたい):進むことと退くこと。
語源・由来
「出処進退」は、「出処」と「進退」という意味の近い二つの熟語を重ねて作られた言葉です。
「出処進退」には、官に仕えることと民間に退くこと、その職にとどまることと辞職すること、という二つの意味があります。
使い方・例文
「出処進退」は、責任ある立場の人が職にとどまるか辞めるかを問われる場面で使われます。
- 会長は出処進退を明らかにすると、記者団に述べた。
- 不祥事の責任をめぐり、社長の出処進退が焦点になった。
- 出処進退は自分で決めるものだと、恩師に教わった。
小説に出てくる場面
『坑夫』(夏目漱石)
坑道をさらに下りるかどうかを問われ、主人公が自分の判断ではなく相手の顔色で決まると考える場面です。
こう云う時の出処進退は、全く相手の思わく一つできまる。
類義語・関連語
「出処進退」と同じように、職にとどまるか離れるかという身の処し方を表す言葉には以下のようなものがあります。
- 去就(きょしゅう):
ある地位や役職から退くことと留まること。身の処置。 - 進退伺(しんたいうかがい):
職務上の過失の責任を負い、身の去就について上司の処置を仰ぐこと。
同じ「進退」を含む言葉には、身動きが取れない状態を表すものもあります。
「出処進退」と「去就」の違い
「去就」と「出処進退」は、ほとんど同じ場面で使えます。
分かれるのは、それぞれを組み立てている字が何を表しているかです。
| 語句 | 字が表す意味 |
|---|---|
| 出処進退 (しゅっしょしんたい) | 官に仕えることと民間に退くこと |
| 去就 (きょしゅう) | 背き離れることとつき従うこと |
「出」と「処」を並べた『易経』の一節
『易経』の繋辞伝には、「君子の道は、或いは出で、或いは処り、或いは黙し、或いは語る」という一節が出てきます。
世に出て働くこともあれば退いて静かにしていることもあり、黙っていることもあれば語ることもある、という意味です。
「出処」の二字は、この「出」と「処」にあたります。
この一節は「二人心を同じうすれば、その利は金を断つ」という句へ続き、志を同じくする二人の力の強さを説く箇所にあたります。









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