意味
「口を酸っぱくする」は、多くは「口を酸っぱくして言う」「口を酸っぱくして注意する」のように、あとに動詞を続けた形で使われます。
同じ忠告を、いやになるほど何度も繰り返して言うことを表します。
「口酸っぱく言う」のように、「口酸っぱく」という副詞の形でも使われます。
- 口(くち):ものを言う働き。
- 酸っぱい(すっぱい):酸味がある。すい。
語源・由来
「口を酸っぱくする」は、「酸っぱい」という言葉の使い方の一つとして生まれた言い回しです。
「酸っぱい」には、いやになるほど同じことを繰り返して言うさまを表す使い方があり、多くは「口を酸っぱくする」「口が酸っぱくなる」の形をとります。
味を表す言葉を、口の働きのほうに移して使った形です。
使い方・例文
「口を酸っぱくする」は、相手がなかなか守らないことを、同じ言葉で繰り返し注意する場面で使われます。
- 戸締まりの確認は、母が口を酸っぱくして言っていた。
- 口を酸っぱくして注意したのに、また同じ失敗をした。
- 部長が口を酸っぱくするほど、報告の遅れが続いている。
「口を」と「口が」の使い分け
この言い回しには、「口を酸っぱくする」と「口が酸っぱくなる」の二つの形があります。
「口を酸っぱくする」は繰り返し言う側の行いを表し、「口が酸っぱくなる」は言い続けた結果そうなった状態を表します。
「口が酸っぱくなるほど言った」という形でも、同じ内容を述べられます。
類義語・関連語
「口を酸っぱくする」と同じように、相手に念を入れて繰り返し言うことを表す言葉には以下のようなものがあります。
- 念を押す(ねんをおす):
重ねて注意する。また、間違いがないか確かめること。 - 再三再四(さいさんさいし):
何度も何度も、繰り返し行われること。
「口を酸っぱくする」と「念を押す」の違い
どちらも相手に念を入れて言う場面で使われ、注意や確認の場で並んで出てきます。
分かれるのは、同じ忠告を何度も重ねることに重きがあるのか、間違いがないかを確かめることに重きがあるのかという点です。
| 語句 | 言葉を重ねる目的 |
|---|---|
| 口を酸っぱくする (くちをすっぱくする) | 同じ忠告を守らせる |
| 念を押す (ねんをおす) | 間違いがないか確かめる |
英語表現
drum into
相手が覚えるまで同じことを繰り返し言い聞かせることを表す言い方。
She drummed the rule into her children.
(彼女は口を酸っぱくして子どもたちにその決まりを教えました。)
until one is blue in the face
効き目のないまま、いつまでも言い続けるさまを表す言い方。
You can argue until you are blue in the face, but he will not listen.
(口を酸っぱくして言っても、彼は聞き入れません。)
梅干しと同じ「唾が出る」感覚
「口を酸っぱくする」は、同じ忠告や指導を何度も繰り返し言うことを表します。
梅干しなど酸っぱいものを見たり食べたりすると、口の中に唾がじわりとにじみ出ます。
同じ言葉を繰り返し言い続けると喉が渇いて唾が出てくることから、この感覚が結び付けられて生まれた言い方だとされています。
なぜ「酸っぱい」という感覚が選ばれたのかは定かではありません。
興奮して話し続ける様子を、酸っぱいものを見たときに唾が湧く感覚に重ねたとする説や、苦言を言うときに口をすぼめる表情が、酸っぱいものを食べたときの表情に似ているとする説があります。









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