意味
「不幸中の幸い」は、正反対の意味を持つ「不幸」と「幸い」を、ひとつの言い回しの中に並べた慣用句です。
起きてしまった悪い出来事について、その中でせめてもの救いといえる点があることを表します。
災難そのものを打ち消すのではなく、そのうちのまだましだった部分だけを取り出す言い方です。
- 不幸(ふこう):幸福でないこと。ふしあわせ。
- 幸い(さいわい):望ましく、ありがたいこと。
語源・由来
「不幸中の幸い」は、反対の意味の二語を「中の」でつないで組み立てられた言い回しです。
「中の」は「〜のうちにある」という意味で、不幸という全体のなかに幸いという一部を見つける形になっています。
そのため、災難が起きていない場面では使えません。
使い方・例文
「不幸中の幸い」は、起きてしまった災難を振り返り、その中でまだ救いといえる点を挙げるときに使われます。
- 家は全焼したが、家族が全員無事だったのは不幸中の幸いだ。
- 追突されたものの、渋滞で速度が落ちていたのが不幸中の幸いだった。
- 財布は戻らなかったが、免許証だけ残っていたのは不幸中の幸いだ。
類義語・関連語
「不幸中の幸い」と同じように、悪い出来事のなかに救いが生まれることを表す言葉には以下のようなものがあります。
- 怪我の功名(けがのこうみょう):
失敗や災難が、思いがけずよい結果をもたらすこと。 - 物怪の幸い(もっけのさいわい):
思いがけずに舞い込んだ幸運。 - 禍を転じて福と為す(わざわいをてんじてふくとなす):
降りかかった災難を、工夫や努力で幸せに変えること。
「不幸中の幸い」と「怪我の功名」の違い
どちらも悪い出来事から救いが見つかることを言い表しますが、救いの大きさが違います。
「不幸中の幸い」は損害が残ったままそのうちの一部が軽く済んだことをいい、「怪我の功名」は失敗そのものがよい成果に結びついたことをいいます。
| 語句 | 起きたこと | 救いの中身 |
|---|---|---|
| 不幸中の幸い (ふこうちゅうのさいわい) | 損害が出たまま | 被害が想定より軽く済んだ点 |
| 怪我の功名 (けがのこうみょう) | 失敗や災難 | 思いがけない成果 |
対義語
「不幸中の幸い」とは反対に、悪い出来事の上にさらに悪い出来事が重なることを表す言葉もあります。
英語表現
a silver lining
暗い雲のふちが銀色に光ることから、悪い出来事のなかに見える明るい面を指す言い方。
Losing the match was hard, but there was a silver lining: no one was injured.
(試合に負けたのはこたえましたが、誰も怪我をしなかったという救いがありました。)
small mercies
大きな不運のなかに残った、ささやかな救いを指す言い方。
Nobody was hurt, and we were thankful for small mercies.
(誰も怪我をせず、私たちはささやかな救いをありがたく思いました。)









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