意味
「情状酌量」とは、刑事裁判で裁判官が犯人の同情すべき事情をくみとって、刑を軽くすることという意味です。刑を軽くしてよい条件が細かく決められているわけではなく、判断は裁判官の裁量にゆだねられています。法廷の外でも「情状酌量の余地がある」「余地はない」という形で、相手の落ち度をどこまで大目に見るかを話すときに使われます。
- 情状(じょうじょう):実際の事情。
- 酌量(しゃくりょう):事情をくみとって同情すること。
語源・由来
「情状酌量」は、特定の書物の一節から生まれた言葉ではなく、刑事裁判の手続きを言い表す言葉として使われてきました。
刑法第66条は「犯罪の情状に酌量すべきものがあるときは、その刑を減軽することができる」と定めています。
この規定による減軽は「酌量減軽」または「裁判上の減軽」と呼ばれ、犯行を手助けした従犯のように、あらかじめ条件が法律で決められている「法律上の減軽」とは区別されます。
使い方・例文
「情状酌量」は、罪や過ちを犯した事情に同情できる点があるかどうかを問う場面で使われます。
- 弁護人は生い立ちを語り、情状酌量を求めて頭を下げた。
- 遺族は「情状酌量の余地はない」と厳しい表情で語った。
- 遅刻の理由が親の急病だと聞き、情状酌量の余地はあると思った。
類義語・関連語
「情状酌量」と同じように、相手の事情をくみとって扱いをやわらげることを表す言葉には以下のようなものがあります。
- 酌量減軽(しゃくりょうげんけい):
裁判官が犯罪の情状をくみとって刑を減軽すること。裁判上の減軽。 - 斟酌(しんしゃく):
相手の事情や心情をくみとって手加減すること。 - 手心を加える(てごころをくわえる):
状況に応じて厳しさを和らげ、寛大に扱うこと。
「情状酌量」と「酌量減軽」の違い
どちらも刑事裁判で情状をくみ取って刑を軽くすることを指し、意味はほとんど重なります。
「情状酌量」は情状をくみ取るという判断の面を、「酌量減軽」はその結果として刑が減軽される手続きの面を言い表します。
| 語句 | 重きを置く点 |
|---|---|
| 情状酌量 (じょうじょうしゃくりょう) | 情状をくみ取る判断 |
| 酌量減軽 (しゃくりょうげんけい) | 刑が減軽される手続き |
英語表現
extenuating circumstances
罪の重さを割り引いて考えるべき事情を指す、裁判で使われる決まり文句。
The judge took the extenuating circumstances into account.
(裁判官は同情すべき事情を考慮しました。)
mitigating circumstances
刑を軽くする理由になる事情をやわらかく言い表す表現。
There were no mitigating circumstances in this case.
(この事件に情状酌量の余地はありませんでした。)
量刑を軽くする七つのものさし
情状は、犯罪に関わる具体的な事実をひとまとめにして指す法律用語です。
犯人の性格、年齢、経歴、境遇、犯罪の動機、犯罪後の態度、社会事情の推移など、多角的な事情がその中身にあたります。
酌量減軽は、法律で定められた刑の下限に処しても、なお刑が重すぎると裁判所が判断したときに適用される制度です。
法律にもとづいて刑を加重・減軽する場合でも、それとは別にこうした情状を酌量することができます。









コメント