意味
「引けを取る」は、競争や比べ合いの場で、相手に負けたり劣ったりすることを意味する慣用句です。
多くの場合「引けを取らない」と打ち消しの形で使われ、「相手にひけをとらないくらい優れている」という、実力が劣らないことを強調する言い方として定着しています。
- 引け(ひけ):劣ること、負けること。
語源・由来
「引けを取る」の「引け」は、動詞「引ける」が名詞になった形で、ここでは劣ること、負けることを意味します。「取る」と組み合わせることで、互角の勝負の中で相手より劣った結果を受けることを表す言い方になりました。
使い方・例文
「引けを取る」は、多くの場合「引けを取らない」の形で、実力が劣らないことを強調する場面で使われます。
- この店のコーヒーは、専門店にも引けを取らない味わいだ。
- 彼の技術は、若手の中でも誰にも引けを取らない。
類義語・関連語
「引けを取る」と同じように、他に劣ることを表す言葉には、次のようなものがあります。
- 見劣りする(みおとりする):
他と比べて、見た目や質が劣って見えること。 - 後れを取る(おくれをとる):
対応や進み具合が、他より遅くなること。
「引けを取る」と類義語の違い
いずれも他より劣ることを表しますが、見ている点が異なります。「引けを取る」は実力や力量そのものの比較を、「見劣りする」は見た目や質の比較を、「後れを取る」は対応や進み具合の遅れを指します。
| 語句 | 見ている点 | 使われ方 |
|---|---|---|
| 引けを取る (ひけをとる) | 実力・力量の比較 | 「引けを取らない」と打消しで使うことが多い |
| 見劣りする (みおとりする) | 見た目・質の比較 | 他と比べて劣って見える様子を直接指す |
| 後れを取る (おくれをとる) | 対応・進み具合の遅れ | 競争や対応の遅れを指す |
対義語
「引けを取る」と反対に、他よりわずかに優れていることを表す言葉があります。
- 一日の長がある(いちじつのちょうがある):
経験や技量に、わずかながら優れている点があること。
英語表現
hold one’s own
実力で相手に劣らず、対等に渡り合うことを表す言い方。
Despite being the youngest, she held her own against experienced players.
(最年少ながら、彼女は経験豊富な選手たちに引けを取らなかった。)
second to none
何においても他に劣らない、最高水準であることを表す言い方。
His dedication to the craft is second to none.
(その道への情熱にかけては、彼は誰にも引けを取らない。)
下校のチャイムと株価掲示板
「引けを取る」の「引け」は、動詞「引ける」から生まれた名詞です。この「引ける」は、勝負や比べ合いで劣ることだけでなく、その日の勤めや授業が終わって退出することも指し、「学校が引ける」という言い方にそのまま残っています。証券取引所でその日最後に成立する値段を指す「大引け」も、立ち会いが終わるという同じ「引ける」から派生した言葉です。気後れを表す「引け目」も、根をたどれば同じ語から枝分かれした仲間です。









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