意味
「文質彬彬」とは、うわべの飾りと内側の中身とが、偏りなく釣り合って備わっていることを表す四字熟語です。
元は、学問や礼儀作法といった外面の教養と、生まれ持った素朴な人柄という、対になる二つの要素の調和を指す言葉でした。
- 文(ぶん):礼儀作法や学問など、外に表れた教養や飾り。
- 質(しつ):生まれ持った、飾らない中身や人柄。
- 彬彬(ひんぴん):それらが釣り合って調和している様子。
語源・由来
「文質彬彬」は、『論語』雍也篇にある孔子の言葉に由来する四字熟語です。
孔子は、「質、文に勝てば則ち野。文、質に勝てば則ち史。文質彬彬として、然る後に君子なり(中身が外面の飾りに勝ると粗野になり、外面の飾りが中身に勝ると見かけ倒しになる。外面の飾りと中身とがほどよく調和して、はじめて君子と呼べる)」と説きました。
学問や礼儀作法を身につけることと、生まれ持った素朴さを失わないこととを、どちらも欠かさずに保つ人物こそが、理想の人格者であるという教えです。
使い方・例文
「文質彬彬」は、教養と人柄のどちらも兼ね備えた、バランスの良い人物を評する場面で使われます。
- 彼は知識をひけらかさず振る舞いも謙虚で、まさに文質彬彬な人だ。
- 新入社員ながら文質彬彬とした立ち居振る舞いに、周囲も感心した。
類義語・関連語
「文質彬彬」と同様に、外面と内面の良さを兼ね備えることを表す言葉には、次のようなものがあります。
- 秀外恵中(しゅうがいけいちゅう):容姿の美しさと、聡明な心をあわせ持つこと。
「文質彬彬」と「秀外恵中」の違い
どちらも外面と内面の良さを兼ね備えることを表しますが、評価する軸が異なります。
「文質彬彬」は教養と人柄の調和を、「秀外恵中」は容姿の美しさと心の聡明さを評価する言葉です。
| 語句 | 評価する軸 |
|---|---|
| 文質彬彬 (ぶんしつひんぴん) | 教養と人柄の調和 |
| 秀外恵中 (しゅうがいけいちゅう) | 容姿の美しさと心の聡明さ |
英語表現
well-rounded
直訳は「丸みを帯びた」。知識や人柄、能力などが偏りなくバランスよく備わっている人を評する際に使う表現で、外面と内面の調和を評価する点で「文質彬彬」に近い。
She’s known as a well-rounded leader, both skilled and humble.
(彼女は能力も人柄も兼ね備えた、バランスの良いリーダーとして知られている。)
「彬彬」という評価の前に孔子が示した二つの失敗例
「文質彬彬」は、『論語』雍也篇にある孔子の言葉が出典です。
孔子は「質勝てば則ち野、文勝てば則ち史」と述べ、中身(質)ばかりが目立てば粗野になり、飾り(文)ばかりが目立てば上辺だけの役人のようになると、まず二つの失敗例を示しました。
そのうえで、質と文がバランスよく調和して初めて「君子」と呼べると説いています。
「彬彬」はこの調和した状態そのものを表す言葉で、単独では使われず、常に「文質彬彬」の形で用いられます。










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