慣用句

洟も引っ掛けない

(はなもひっかけない)

全く相手にしないこと。無視すること。

異形:鼻も引っ掛けない

9文字の言葉は・ば・ぱ」から始まる言葉
洟も引っ掛けない ことば
スポンサーリンク

意味

「洟も引っ掛けない」は、鼻水を拭う程度のわずかな行為すら向けないという情景から、眼中にも置かず、まったく取り合わないことを表す言い回しです。
無視するというより、そもそも意識の中に入っていないという突き放した響きを持ちます。

  • (はな):鼻水のこと。「鼻」とは別の漢字で、鼻汁だけを指す。

語源・由来

「洟」は「鼻」とは別の漢字で、鼻水そのものを指します。
「鼻も引っ掛けない」と表記されることもあり、この場合は「鼻」の字が使われますが、意味に変わりはありません。

使い方・例文

「洟も引っ掛けない」は、こちらの働きかけや存在そのものを、相手が全く意に介さない様子を表す際に使われます。

  • 何度話しかけても、彼女は洟も引っ掛けない態度だった。
  • 忠告しても洟も引っ掛けない社長に、周囲はあきれ果てた。

類義語・関連語

「洟も引っ掛けない」と同じく、相手を全く相手にしないことを表す言葉には次のようなものがあります。

  • 歯牙にも掛けない(しがにもかけない):問題にせず、相手にしないこと。
  • 眼中に置かない(がんちゅうにおかない):意識や考慮の対象にすら入れないこと。

「洟も引っ掛けない」と類義語の違い

どれも相手を無視する態度を表しますが、たとえに使う体の部位によって響きが異なります。

語句たとえの中心響き
洟も引っ掛けない
(はなもひっかけない)
鼻水にすら触れないくだけた、突き放した言い方
歯牙にも掛けない
(しがにもかけない)
歯にすら掛けないやや古風で書き言葉に近い
眼中に置かない
(がんちゅうにおかない)
視界にすら入れない改まった場面でも使える中立的な言い方

英語表現

not give someone the time of day

相手に時刻を教える程度の労さえ惜しむという意味で、完全に無視する態度を表す言い回し。

She wouldn’t give him the time of day after he lied to her.
(彼が嘘をついてから、彼女は彼を洟も引っ掛けなくなった。)

明治の小説に見える「洟も引っ掛けない」

「洟も引っ掛けない」の使用が確認できる例のひとつに、明治の評論家・内田魯庵うちだろあんが1898年に発表した小説「くれの廿八日」の一節、「妾なんかには鼻洟も引掛けないで澄アしたもんだ」があります。

「鼻にもかけない」という言い方は誤用とされ、正しくは鼻水を意味する「はな」を使った「洟も引っ掛けない」です。
鼻水のような取るに足らないものにさえ手を触れようとしない態度を、相手を全く眼中に置かない様子にたとえています。

スポンサーリンク

コメント