意味
「繁文縟礼(はんぶんじょくれい)」とは、規則や手続き、礼儀作法がこまごまと定められていて、かえって面倒に感じられる様子を表す四字熟語です。
役所の手続きや形式ばった儀礼を、皮肉を込めて評する際によく使われます。
- 繁文(はんぶん):規則や飾りごとが多いこと。
- 縟礼(じょくれい):こまごまとした礼儀作法。
語源・由来
「繁文縟礼」は、「繁文」と「縟礼」という、どちらも「規則や作法の多さ」を表す言葉を重ねて作られた四字熟語です。
「繁」も「縟」も、本来は模様や飾りが多く込み入っている様子を表す漢字で、そこから規則や手続きの細かさ・煩わしさを指すようになりました。
同じ方向の意味を持つ二字熟語を並べることで、堅苦しさが二重に強調されています。
使い方・例文
「繁文縟礼」は、役所の手続きや会議の進め方など、決まりごとが多すぎて非効率だと感じる場面で使われます。
- 申請書類が何枚もあり、繁文縟礼にうんざりした。
- あの会議は繁文縟礼な進行で、本題になかなか入れない。
類義語・関連語
「繁文縟礼」と同様に、形式や規則にとらわれすぎる様子を表す言葉には、次のようなものがあります。
- 杓子定規(しゃくしじょうぎ):
融通が利かず、何でも一つの基準で判断すること。 - 形式主義(けいしきしゅぎ):
中身より形を重んじる考え方。
どちらも堅苦しさを表しますが、問題にしている点が異なります。
「繁文縟礼」と「杓子定規」の違い
| 語句 | 問題の所在 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 繁文縟礼 (はんぶんじょくれい) | 規則や手続きの数が多すぎること | 煩雑さへの不満 |
| 杓子定規 (しゃくしじょうぎ) | 判断基準が画一的で融通が利かないこと | 融通のなさへの批判 |
英語表現
red tape
直訳すると「赤いひも」で、官公庁などの煩雑な規則や手続きを指す表現。
「繁文縟礼」の英訳としてよく使われる。
The application got stuck in red tape.
(申請は繁文縟礼に阻まれて滞ってしまった。)
「繁文縟礼」に近い語、淮南子では統治策
「繁文縟礼」とよく似た「繁文滋礼」という言い方が、前漢の思想書『淮南子』の道応訓に出てきます。
「滋」は数の多いことを表す字で、「縟」は飾りの多いことを表す字です。
周の武王が、自分が殷を討ったように後の世でも争いが絶えなくなるのではないかと心配し、太公望に問うくだりです。
太公望は、礼を細かく多くして民の素朴さを覆い、手厚い葬儀や長い喪で家の財と力を使わせよと答えています。
礼の多さを批判する今の「繁文縟礼」とは違い、ここでは民を貧しくして争う力を持たせないための手立てとして語られています。









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