慣用句

血で血を洗う

(ちでちをあらう)

暴力に対して暴力で報復すること。転じて、血のつながる者どうしで争うことのたとえ。


7文字の言葉ち・ぢ」から始まる言葉
血で血を洗う ことば
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意味

「血で血を洗う」は、争いに争いで、暴力に暴力で応じて事態をますます悪化させることを表す言い方です。
もとは復讐や報復の応酬を指しましたが、今では血のつながる者どうしの醜い争いを表す場合にも使われ、どちらも後味の悪さを伴う響きを持ちます。

語源・由来

「血で血を洗う」は、中国の歴史書『旧唐書』に記された、8世紀の唐とウイグルの間の出来事に由来するとされます。
ウイグルの君主の叔父を唐が殺害してしまった際、遺体を届けに来た唐の役人・源休に対し、ウイグル側は「お前の国は私の叔父を殺したが、その報復にお前を殺せば血で血を洗うようなもので、汚れがますます増すだけだ」と告げたと伝えられています。血で汚れた手を血で洗っても、かえって汚れが広がるだけだという情景から、暴力への暴力による報復を戒める言葉として使われるようになりました。のちにこの「血」を血縁の意味で捉え直し、身内どうしの争いを指す使い方も生まれています。

使い方・例文

「血で血を洗う」は、暴力の応酬が続く抗争や、血縁関係にある者どうしの醜い争いを表す際に使われます。

  • 二つの暴力団の抗争は、血で血を洗う報復合戦と化した。
  • 遺産をめぐる兄弟の対立は、まさに血で血を洗う争いだった。

類義語・関連語

「血で血を洗う」と同様に、報復や身内の争いを表す言葉には、次のようなものがあります。

  • 骨肉相食む(こつにくあいはむ):血を分けた身内どうしが争うこと。
  • 目には目を、歯には歯を(めにはめを、はにははを):受けた害と同じ害を相手に返すこと。

どちらも似た場面で使われますが、指し示す争いの範囲が異なります。

「血で血を洗う」と「骨肉相食む」の違い

語句対象となる争い意味の幅
血で血を洗う
(ちでちをあらう)
暴力の報復全般、または身内の争い復讐の応酬から身内争いまで幅広い
骨肉相食む
(こつにくあいはむ)
血縁関係にある者どうしの争いに限定身内の争いのみを指す

対義語

「血で血を洗う」とは反対に、争いを終わらせて許すことを表す言葉として、次のようなものがあります。

  • 水に流す(みずにながす):過去のもめごとをすべてなかったことにして許すこと。

英語表現

tit for tat

直訳すると「しっぺ返し」で、受けた仕打ちと同じことをやり返すという、報復の連鎖を表す言い回し。

The rivalry between the two families turned into pure tit for tat.
(二つの家の対立は、まさに血で血を洗う報復合戦になった。)

ウイグルの可汗が唐の史書に残した言葉

「血で血を洗う」の出典は、中国の歴史書『旧唐書くとうじょ』の源休伝げんきゅうでんにあります。
ウイグルの可汗かがんが、唐に対して「お前の国はすでに突董らを殺した。
私がまたお前を殺せば、血をもって血を洗うようなもので、汗はますますひどくなるだけだ」という趣旨の言葉を残したと記録されています。

血で汚れた手を血で洗えば、かえって汚れが増すだけだという考え方から、暴力に暴力で、悪事に悪事で報復することのたとえとして使われるようになりました。

日本では、鎌倉時代の仏教説話集『発心集ほっしんしゅう』(1216年頃)に、この言葉を使った例が見られます。
後には、血縁者どうしの争いを指す意味でも使われるようになりました。

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