意味
「読書尚友(どくしょしょうゆう)」とは、書物を通じて、昔の賢人を友として学ぶことです。
「尚」は時代をさかのぼるという意味で、すでに世を去った賢人であっても、書物を通じて友のように身近な存在として学べるという考え方を表します。
直接会って教えを受けられない相手からも学べるとする、読書の意義を説いた言葉です。
語源・由来
「読書尚友」は、中国戦国時代の思想家孟子の言葉に由来します。
『孟子』の万章下には、天下の善士を友とすることに満足できなければ、さらに昔にさかのぼって古人を論じ、その詩を吟じ、その書を読むと述べられています。
古人の人物を知らずしてそれができるだろうかとして、その生きた時代までも合わせて考えることを「尚友」と呼びました。
会ったこともない昔の人物を、書物を通じて友として学ぶという発想が、この四字熟語の中心にあります。
使い方・例文
「読書尚友」は、書物を通じて昔の人物から学ぶ姿勢を評価する場面で使われます。
- 古典を読みふけるあの人には、読書尚友という言葉がよく似合う。
- 定年後は読書尚友を心がけ、歴史書を読み進めている。
- 読書尚友の心構えで、遠い時代の思想家の本を開いた。
類義語・関連語
「読書尚友」と同じように、書物との向き合い方を説く言葉には以下のようなものがあります。
- 読書三余(どくしょさんよ):
冬・夜・雨降りという、読書に充てられる三つの余った時間のこと。 - 読書三到(どくしょさんとう):
心・目・口の三つを働かせて、書物の真意を読み取るべきだということ。 - 読書百遍意自ずから通ず(どくしょひゃっぺんいおのずからつうず):
難しい書物も、何度も繰り返して読むうちに自然と意味が分かってくるということ。
「尚友」から生まれた読み方の原則「知人論世」
孟子は、友とする相手をまず村の善人、次に国の善人、そして天下の善人へと段階的に広げ、それでも足りなければ最後に昔の人物を友とする「尚友」に至ると説きました。
地理的に近い者から遠い者へ、さらに時間的に遠い昔の人物へと、友の輪を外側に広げていく組み立てです。
古人を友とするというこの発想は、後に「知人論世」と呼ばれるようになりました。
作品だけを読むのではなく、それを書いた人物がどんな時代にどんな人生を送ったかも合わせて理解すべきだという考え方で、中国の文章批評における読み方の基本として受け継がれています。










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