慣用句

足をすくう

(あしをすくう)

相手の隙を突き、思いがけない手段で失敗させることを表す言葉。


6文字の言葉 / 「あ」から始まる言葉
足をすくう ことば
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意味

「足をすくう」は、相手の隙をついて、思いがけない手段で失敗や敗北に追い込むことを意味する慣用句です。
不正な手段とは限らず、隙を見せた側の落ち度も含めて語られる、駆け引きの機微を伝える言葉です。

  • すくう(掬う):下から払うようにすっとすくい取ること。

語源・由来

「足をすくう」は、相手の足を払うようにして支えを失わせる動作から生まれた言い回しです。
そこから、相手の隙に付け入り、思いがけない手段で失敗や敗北に導くという意味で使われます。

使い方・例文

「足をすくう」は、多くの場合「足をすくわれる」の形で、思いがけない不覚を指摘する場面で使われます。

  • 油断していたところを足をすくわれ、逆転を許してしまった。
  • 好調に見えた対戦相手も、思わぬところで足をすくわれた。
  • 気を抜けば、いつ足をすくわれるか分からない。

「足元をすくわれる」は誤用とされてきた言い方

「足をすくわれる」は、「足元をすくわれる」と言われることが少なくありません。
文化庁の平成19年度「国語に関する世論調査」では、本来の言い方とされる「足をすくわれる」を使うと答えた人は16.7パーセントにとどまり、「足元をすくわれる」を使うと答えた人が74.1パーセントと、多数派になっています。
国語辞典の見出しは「足をすくう」で、「足元をすくわれる」は本来の言い方ではないとされています。
平成28年度の同じ調査では、「足をすくわれる」が26.3パーセント、「足元をすくわれる」が64.4パーセントでした。

類義語・関連語

この言葉と近い意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 不覚を取る(ふかくをとる):
    油断から思いがけない失敗をすること。
  • 虚を突く(きょをつく):
    相手の隙を突いて、そこを攻めること。

「足をすくう」と類義語の違い

三つとも隙をめぐる言葉ですが、誰の視点から語るかが異なります。

語句意味視点
足をすくわれる不覚から思いがけない敗北に追い込まれる。やられた側(被害者)の視点。
不覚を取る油断から失敗する。自分の落ち度そのものに重心を置く言い方。
虚を突く相手の隙を突いて攻める。仕掛ける側(攻撃者)の視点。

英語表現

pull the rug out from under someone

相手の足元にある敷物を引き抜いて転ばせるという発想の言い回しで、支えを不意に奪って失敗させる様子が「足をすくう」と重なる表現。

The sudden policy change pulled the rug out from under the whole industry.
(その急な政策変更は、業界全体の足をすくった。)

「小股掬い」という決まり手が、今も相撲に実在する

相撲には、相手の足をすくって倒す決まり手があります。
日本相撲協会が定める決まり手八十二手の一つに「小股掬こまたすくい」があり、出し投げなどで相手の体勢を崩したあと、踏み込んできた足を内側から掬い上げて倒す技として、公式に説明されています。
1978年には、出羽の花義貴でわのはなよしたかがこの技で当時の大関・貴ノ花利彰たかのはなとしあきを破るなど、実際の取組でも使われてきました。

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