意味
「桂の高跳び歩の餌食(けいのたかとびふのえじき)」とは、調子に乗って先へ進みすぎた駒や人が、結局は相手の格好の攻撃対象になってしまうことを表す将棋のことわざです。
目先の勢いだけで無理に前進すると、後で取り返しのつかない不利を招くという戒めを表す言葉です。
また、身分や実力にふさわしくない高い地位に上り、そのためにかえって苦しむことのたとえとしても使われます。
- 桂(けい):将棋の駒「桂馬」のこと。
- 歩(ふ):将棋の駒「歩兵」のこと。
語源・由来
「桂の高跳び歩の餌食」は、将棋の実戦から生まれたことわざです。
桂馬は独特の飛び方で敵陣深くまで一気に攻め込める駒ですが、その分、前方や左右のマスに直接利きを持たず、着地した場所を守りにくいという弱点があります。周囲の駒との連携を考えずに桂馬だけを先走らせて跳ばせると、相手の歩兵という最も安い駒にただ取られてしまうことになりかねません。この、勢い任せの跳躍がそのまま失敗に終わる典型的な負けパターンを言い表したのが、このことわざです。
使い方・例文
「桂の高跳び歩の餌食」は、勢いだけで先走った結果、痛い目にあう場面を戒める際に使われます。
- 単身での抜け出しは、桂の高跳び歩の餌食になりかねない。
- 「桂の高跳び歩の餌食」というし、後方の備えも考えてから攻めよう。
- 実績もないまま役員に抜擢されたが、桂の高跳び歩の餌食で、古参の社員に足をすくわれてばかりいる。
英語表現
pride comes before a fall
直訳は「高慢は転落の前に来る」で、うぬぼれて調子に乗った者はやがて失敗するという戒めの表現。
先走りよりも、慢心に重きを置く表現。
After one lucky win, he bet everything on the next race. Pride comes before a fall.
(一度まぐれで勝っただけで、次のレースに全額を賭けた。桂の高跳び歩の餌食だ。)
桂馬は後ろに下がれない
桂馬は、前へ2マス・横へ1マスの位置にしか跳べない駒です。
真正面のマスには進めず、飛車や角のように後ろへ下がることもできません。
そのため、敵陣近くまで跳び出した桂馬の正面に相手の歩が進んでくると、桂馬は下がって逃げられず、歩に取られやすくなります。
「桂の高跳び歩の餌食」は、跳ぶ前に、着地したマスへ相手の歩が届かないかを確かめるよう戒める格言です。









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