慣用句

世間ずれ

(せけんずれ)

実社会で経験を積み、世慣れてずる賢くなること。


5文字の言葉 / 「せ・ぜ」から始まる言葉
世間ずれ ことば
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意味

「世間ずれ(せけんずれ)」とは、世の中でもまれるうちに、純粋さを失って抜け目がなくなるという意味です。
漢字では「世間擦れ」と書きます。

語源・由来

「擦れる」は、もともと物がこすれ合って表面がすり減ることを表す言葉です。
そこから転じて、さまざまな経験にもまれるうちに、純粋な気持ちやすれていない素朴さが失われることも「擦れる」というようになりました。
「世間」に「擦れる」を合わせた「世間擦れ」は、世の中でもまれ、要領よくずる賢く立ち回れるようになった人を指す言葉として定着しました。
夏目漱石の小説『こころ』(1914年)には、「それは私たちよりよっぽど世間ずれのした男か、さもなければ愛の心理がよく呑み込めない鈍物のする事」という一節が登場します。

使い方・例文

  • 営業を長く経験した彼は、すっかり世間ずれした交渉上手になった。
  • 若手社員の中では、彼が一番世間ずれしていて抜け目がない。

誤用・注意点

文化庁の平成25年度「国語に関する世論調査」では、本来の「世間を渡ってずる賢くなっている」と答えた人が35.6パーセント、「世の中の考えから外れている」と答えた人が55.2パーセントでした。
平成16年度の調査では本来の意味を選んだ人が51.4パーセントと多数派だったため、10年ほどの間に多数派が入れ替わったことになります。
「世間ずれ」は世慣れて要領がいいことを表す言葉で、世の中の常識から外れていることを表す言葉ではありません。
常識から外れていることを伝えたいときは「浮世離れ」を使うほうが正確です。

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類義語・関連語

この言葉と同じように、経験を積んでずる賢くなった様子を表す言葉には、以下のようなものがあります。

  • 海千山千(うみせんやません):
    あらゆる経験を積んで、ずる賢く世渡りがうまいこと。
  • 百戦錬磨(ひゃくせんれんま):
    数多くの経験を積んで、技量や対応力が鍛え上げられていること。

「世間ずれ」と類義語の違い

どれも豊富な経験を積んだ様子を表しますが、経験の結果が良い方向に出るか、ずる賢さに出るかで分かれます。

語句経験がどう表れるか
世間ずれ
(せけんずれ)
純粋さを失い、ずる賢く立ち回る
海千山千
(うみせんやません)
ずる賢さの方向に強く傾いた経験
百戦錬磨
(ひゃくせんれんま)
技量や対応力の高さとして評価される

対義語

反対に、世間ずれしておらず、純粋なままの様子を表す言葉は以下の通りです。

  • 世間知らず(せけんしらず):
    実社会の経験が乏しく、常識や駆け引きに疎いこと。

英語表現

英語では、次のような言い方でこの様子を表します。

worldly-wise

実社会での経験を積み、世慣れていることを指す言い方。
「ずる賢い」という悪い含みは無く、「世間ずれ」のうち世慣れているという部分に当たる表現。

He became worldly-wise after years in sales.
(彼は長年の営業経験を経て、世慣れた人物になりました。)

「世間ずれ」の「ずれ」は「擦れ」が濁った形

「世間ずれ」は漢字で「世間擦れ」と書き、「ずれ」は「擦れる」の「すれ」が「世間」に続いて濁った形です。
「予定がずれる」「感覚がずれる」のように、位置や考えが食い違う意味の「ずれる」とは意味の上で別のものです。
同じ「擦れる」を使った言葉に「擦れっ枯らし」があり、さまざまな経験を積んで悪く世慣れてしまった様子を表します。

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