慣用句

したり顔

(したりがお)

うまくいった、してやったという満足感からにじむ、得意げな表情。


5文字の言葉 / 「し・じ」から始まる言葉
したり顔 ことば
スポンサーリンク

意味

「したり顔(したりがお)」とは、うまくいったという満足感が、そのまま表情ににじみ出た状態だという意味です。
自分の思惑どおりに事が運んだときや、周囲より一歩先んじたときに浮かべる、得意げな顔つきを言います。
相手には、やや皮肉っぽく映ることもある表情です。

  • したり:動詞「す」に完了の助動詞「たり」が付いた形で、「してやった」「うまくやった」という意味。

語源・由来

清少納言の随筆『枕草子』には「したり顔なるもの」という一段があり、したり顔になるものの例として、正月一日に誰よりも先にくしゃみをした人が挙げられています。
当時から、ちょっとした出来事で一番になったことを誇らしく思う人の様子が、文章に書き留められていたことになります。

使い方・例文

  • 難しい質問に完璧に答えた彼は、したり顔で周りを見回した。
  • 「だから言ったでしょう」と、彼女はしたり顔を浮かべた。

誤用・注意点

文化庁の令和6年度「国語に関する世論調査」では、本来の「得意げな様子」と答えた人が64.5パーセントで、「知ったかぶりをしている様子」と答えた人の25.1パーセントを大きく上回りました。
「したり顔」は誤用が多い語として紹介されることもありますが、実際には本来の意味を知っている人の方が多数派です。
「したり顔」は、実際に事がうまく運んだときの得意げな表情を指す言葉で、「知ったかぶり」の意味はありません。

スポンサーリンク

類義語・関連語

この言葉と同じように、満足げな表情や振る舞いを表す言葉には、以下のようなものがあります。

  • 得意顔(とくいがお):
    成功や手柄を、はっきりと誇らしげに示す顔つき。
  • 手柄顔(てがらがお):
    自分の手柄を自慢する顔つき。

「したり顔」と類義語の違い

どれも満足感や得意げな様子が表に出た状態を表す言葉です。
思惑が当たった手応えがにじむのか、誇らしさをはっきり示すのか、自分の手柄を自慢するのかで分かれます。

語句ニュアンス
したり顔
(したりがお)
うまくやったという達成感がにじむ得意げな表情
得意顔
(とくいがお)
成功や手柄を、はっきりと誇らしげに示す顔つき
手柄顔
(てがらがお)
自分の手柄を自慢する顔つき

英語表現

英語では、次のような言い方でこの表情を表します。

smug look

自己満足からにじみ出た、得意げな表情を指す言い方。

He gave a smug look after winning the argument.
(議論に勝った後、彼はしたり顔をしていました。)

self-satisfied expression

自分の出来栄えに満足しきった表情を指す言い方。

She wore a self-satisfied expression as she left the meeting.
(彼女は会議を後にするとき、したり顔をしていました。)

「してやったり」にも残る「たり」

「したり顔」の「たり」と同じ完了の助動詞「たり」は、今も使われる「してやったり」という言い方にも含まれています。
「してやったり」は「して」に補助動詞「やる」、そして完了の助動詞「たり」が付いた形で、狙いどおりに事が運んだときの達成感を表します。
「したり顔」は表情を、「してやったり」は達成の喜びそのものを言い表す言葉ですが、どちらも「たり」で「うまくやった」という手応えを表しています。

スポンサーリンク

コメント