ことわざ

鳶が高く飛ぶと晴れ

(とびがたかくとぶとはれ)

鳶が高く飛ぶ様子を、晴れの前兆とも風の前兆とも見てきた言い伝え。

異形:とんびが高く飛ぶと晴れ

11文字の言葉 / 「と・ど」から始まる言葉
鳶が高く飛ぶと晴れ ことば
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意味

「鳶が高く飛ぶと晴れ(とびがたかくとぶとはれ)」とは、鳶が羽ばたかずに空高く舞い上がる様子を、その日の天気が良くなるしるしと見るという意味です。
ただし日本の古い気象関連の書物では、同じ鳶の様子を晴れではなく風の前触れとする記述のほうが多く見られます。
観天望気の一つで、身近な猛禽もうきん(= ワシやタカなどの肉食の鳥)である鳶の飛び方に注目した言い伝えです。
こうした天気の言い伝えは「天気のことわざ」や「天気俚諺りげん」(= 天気に関することわざ)とも呼ばれます。

語源・由来

鳶は上空を大きく旋回しながら飛ぶ、身近な猛禽もうきんとして古くから人々の目に留まってきた鳥です。
こうした鳥の飛び方の変化も、農業や漁業に携わる人々が空を見上げる中で天気の目安として結び付けてきた、観天望気の一つです。
大正から昭和初期にかけて刊行された気象関連の書物にも、鳶の飛び方に注目した記述が複数残されています。

空高く舞うのは上昇気流に乗るためと説明される

猛禽もうきんが翼を広げたまま長時間飛び続けられるのは、地面が温められることで生まれる上昇気流に乗り、羽ばたかずに高度を稼いでいるためだと説明されることがあります。
日差しが強く地表が暖まりやすい、風の穏やかな日にはこの上昇気流が発生しやすいといわれ、鳶が高く舞う様子と結び付けられてきました。
一方で、鳶が高く飛ぶことを風の強まりの前触れとして記録した書物も多く、高く飛ぶ理由を一つの説明だけに絞り込むことはできません。

使い方・例文

空を見上げて鳶の姿を見つけたときに、その日の天気を話題にする場面で使われます。

例文

  • 河原で鳶が高く飛ぶのを見つけ、「今日は絶好の行楽日和だ」と笑った。
  • 鳶が高く飛ぶと晴れというから、洗濯物を外に干すことにした。
  • 漁を終えた漁師が空を見上げ、「鳶が高く飛べば晴れが続く」と船を片付けた。
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類義語・関連語

生き物の様子から天気を見分ける言い伝えは、鳶のほかにも見られます。

  • 燕が低く飛ぶと雨(つばめがひくくとぶとあめ):
    湿った空気で低く飛ぶ虫を追い、燕も低空を飛ぶ様子を雨の前触れとする言い伝え。
  • カマキリが高く卵を産むと大雪(かまきりがたかくたまごをうむとおおゆき):
    カマキリが卵を産む高さから、その冬の積雪量を見立てる言い伝え。

ただし燕は羽ばたきながら虫を追って飛ぶ鳥で、翼を広げたまま風に乗って滑空する鳶とは、飛び方の仕組みが異なります。
二つを同じ理屈でひとまとめに説明することはできません。

英語表現

この言葉に近い英語表現は、次のようなものです。

If kites fly high, fine weather is at hand

「鳶が高く飛べば、晴天が近い」という意味で、1869年にイギリスで出版された天気のことわざ集『Weather Lore』に収められた表現。

If kites fly high, fine weather is at hand.
(鳶が高く飛べば、晴天が近い。)

気象学の本は「晴れ」ではなく「風」の前触れと書いている

気象学者の岡田武松おかだたけまつの『気象学講話』の1913年と1916年の版には、「鳶が高く飛ぶのは風」という記述があります。
1919年刊行の『天候と人生』や1921年刊行の『天文地文』、1936年刊行の『気象の話』でも同様に、鳶が高く飛ぶことは風の前触れとして紹介されており、大正から昭和初期にかけての気象関連の書物では、晴れよりもむしろ風と結び付けて語られることが多い言い伝えでした。

一方で1925年刊行の『群馬県群馬郡誌』には、雲雀ひばりや鳶が高く飛ぶ様子を晴天の目安としたとみられる記述も見られ、地域や時代によって天気の読み方に幅があったことがうかがえます。

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